スポンサーサイト

  • 2015.09.16 Wednesday

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 0
    • -
    • -
    • -

    11/2仮の義務付けの申立てに対する却下決定

    • 2012.11.03 Saturday
    • 10:00
     東京地方裁判所民事第2部(裁判長裁判官川神裕、裁判官佐野義孝、裁判官菅野昌彦)は仮の義務付けの申立てを却下しました。弁護団は同日付で即時抗告を行い、即時抗告審が東京高等裁判所第7民事部に係属中です。


    *****


    平成24年(行ク)第395号仮の義務付けの申立事件
    (本案平成24年(行ウ)第754号日比谷公園霞門一時的使用許可義務付け誇求事件)

    決 定

    申立人 小泉 岳義
    同代理人弁護士  別紙1代理人目録記載のとおり
    同復代理人弁護士 別紙1代理人目録記載のとおり

    東京都新宿区西新宿2丁目8番1号
    相手方 東京都
    同代表者知事代理副知事 猪瀬 直樹
    処分行政庁 東京都東部公園緑地事務所長
    同指定代理人 北原 恒一
           江村 利明
           直井 春夫
           村木 健司

     上記当事者間の仮の義務付けの申立事件について,当裁判所は,相手方の意見を聴いた上,次のとおり決定する。

    主 文
    1 本件申立てを却下する。
    2 申立費用は申立人の負担とする。

    理 由
    第1 申立て

     処分行政庁は,申立人に対し,申立人が平成24年10月26日にした,同年11月11日の集団示威運動(デモ)出発のための日比谷公園霞円周辺の一時的使用申請について,これを仮に許可せよ。

    第2 事案の概要

     本件は,申立人が,処分行政庁に対し,東京都立公園条例(昭和31年東京都条例第107号。以下「公園条例」という。)13条1項に基づき,東京都が設置する都市公園である日比谷公園(以下「本件公園」という。)内の霞門とその周辺(以下「本件申請部分」という。)の一時的使用の許可申請(以下「本件申請」という。)をしたところ,処分行政庁から,これを許可しない旨の処分(以下「本件処分」という。)を受けたため,本件処分は,本件申請に係る午後1時から午後3時までの間,本件申請部分を申立人らが計画している集団示威運動としてのデモ行進(以下「本件デモJという。)の集合場所・出発地点とすること
    に特段の支障がないなど,正当な理由がないにもかかわらずされたものであり,集会の自由及び表現の自由を不当に制約することになり違憲・違法で、あるなどと主張して,本件処分の取消しを求めるとともに,本件申請部分の一時的使用の許可(以下「本件許可」という。)の義務付けを求める訴え(当庁平成24年(行ウ)第754号。以下,この義務付けを求める訴えを「本件義務付けの訴え」という。なお,後記第3の1(4)参照)を提起した上,本件許可がされなければ,本件デモの集合場所・出発地点の確保ができず,表現の自由の行使の機会が失われるなど申立人に償うことのできない損害が生じ,この損害を避けるためには本件デモの集団示威運動許可申請等の準備の都合上,本件デモ実施予定日の1週間程
    度前までには本件許可を受けなければならない緊急の必要があり,公共の福祉に重大な損害を及ぼすおそれがあるときにも当たらない旨主張して,行政事件訴訟法37条の5第1項に基づき,仮に処分行政庁が本件許可をすべき旨を命ずることを求める事案である。
     申立人の主張は,別紙2のとおりであり,相手方の主張は,別紙3のとおりである。

    第3 当裁判所の判断

    1 疎明事実
     一件記録によれば,以下の各事実が一応認められる。
    (1) 当事者等
    ア 申立人は,平成23年9月に成立し,数次にわたり,原子力発電所の再稼働等の反対を政府等に訴える集団行進又は集団示威運動を主催してきた首都圏反原発連合(首都圏でデモ等を主催している個人・集団の連絡組織。以下「本件連合」という。)に所属しており,本件デモの主催者となったと主張している者である。(疎甲2,3)
     本件連合は,(神24年3月11日には「3.11東京大行進一追悼と脱原発への誓いを新たに一」との名称で,同年7月29日には「7.29脱原発国会大包囲」との名称で,それぞれ大規模なデモを主催し,実行した(申立人は,,砲弔約1万4000人,△砲弔延べ約20万人が参加したと主張・供述している。疎甲2)。
     なお,本件連合の代表者は,,砲弔い董て比谷公園サービスセンタ一長(以下「本件センター長」という。)に対し,本件公園の中幸門につき一時使用したい旨の公園地一時使用届出書を提出し,同年2月28日,東京都公安委員会に対し,参加予定人数を1000人,集合場所を本件公園中幸門とするなどと記載した集団示威運動許可申請書を提出し,同年3月9日,一定の条件が付されてはいるものの,東京都公安委員会から集団示威運動の許可を受け,△砲弔い董て映4月23日,本件センター長に対し,参加人数約1000人でデモ行進出発のため,同年7月29日午後3時から午後3時30分までの間,本件公園の中幸門につき一時使用したい旨の公園地一時使用届出書を提出するとともに,同月23日,東京都公安委員会に対し,参加予定人数を1万人,集合場所を本件公園中幸門とするなどと記載した集団示威運動許可申請書を提出し,同月27日,一定の条件が付されてはいるものの,東京都公安委員会から集団示威運動の許可を受けた。(疎甲2ないし疎甲8の2)
    イ 処分行政庁は,東京都公園緑地事務所長委任規則(昭和47年東京都規則第171号)2項(3)号,東京都組織規程(昭和27年東京都規則第164号)別表三の8(3)に基づき,本件公園につき,東京都知事から公園条例13条所定の物件を設けない都市公園の占用許可権限の委任を受けている。
    ウ 公益財団法人東京都公園協会は,平成21年4月1日に東京都から地方自治法244条の2に基づく指定を受け,本件公園内に日比谷公園サーピスセンター(以下「本件センター」という。)を設置して,本件公園の管理を行っている。(疎乙9)
    (2) 本件処分に至る経緯
    ア 本件連合は,平成24年8月頃から,同年11月11日に「11.11反原発100万人大占拠」との名称の大規模なデモ行進(本件デモ)を計画しており,申立人は,同年10月26日付けで,処分行政庁に対し,「目的及び種別」につき「集会(デモ出発のための一時使用。集合状況をみつつ順次デモ出発)」,「承認希望日時」につき同年11月11日午後1時から午後3時,「使用希望施設」につき本件申請部分(その範囲につき,争いがある。), 「参加人員の詳細」につき予定人数1万人などと記載した,使用承認申請書を提出して本件申請をした。(疎甲1)
     なお,申立人は,本件連合に所属する者が,平成24年9月6日,本件センターの職員に,本件申請部分を本件デモの集合場所・出発地点として使用の可否の打診をしたところ,上記職員から,公園地一時使用届出書の新規受付はできないとの対応をされその後この対応に変更が見られなかったことから,本件申請をしたと主張している。(疎甲2)
     また,本件申請部分の範囲について,申立人は別紙2の平成24年11月2日付け主張書面(3)に記載された部分であると主張しているが,相手方は別紙4のド分であると理解している。(疎乙11)
    イ これに対し,処分行政庁は,平成24年10月31日付けで,本件申請につき,公園管理上の支障となるため許可しない旨の本件処分(24東公管第971号)をした。(疎甲13,疎乙1)
    (3) 本件公園の現況及び使用状況等
    ア 本件公園には,圏内に日比谷公会堂(収容人員2074名)及び大音楽堂(収容人員3114名)の2か所の集会施設が設置されているほか,第一花壇,第二花壇,小音楽堂,大噴水等からなる園地,周辺道路に面した各門と園地・圏内各施設への往来のための動線である園路が設置されており,本件申請部分である霞門は園路から圏外に通じる部分にある(別紙4参照)。(甲19)
     霞門は,白山祝田橋通り道路や東京地下鉄株式会社の地下鉄丸の内線霞ヶ関駅地上出口に面している。
    イ 本件公園の平成24年11月11日の使用状況は以下のとおりである。
    (ア) 日比谷公会堂及び大音楽堂
     両施設ともに別件の集会のため, 終日使用の予約がされている(別紙4のゝ擇哭∋仮函法(疎乙9,10)
    (イ) 別紙4のの園地部分
     農林水産省及び財団法人日本農林漁業振興会主催の「第51回農林水産祭実りのフェスティパル」との名称の催事と第3回ファーマーズ&キッズフェスタ実行委員会主催の「第3回ファーマーズ&キッズフェスタ2012」との名称の催事(以下「本件催事1」という。)が,午前10時から午後4時までの日程で併催される予定である。
     本件催事1では,農機具や生産品の展示をする出展だけにとどまらず,飲食物を提供する出展や農林水産物の展示即売,乗馬体験等も予定されている。(以上につき,疎甲17,18,疎乙9)
    (ウ) 別紙4のい留狠鷲分
     日比谷公園菊花連盟,東京都及び千代田区主催の「平成24年度東京都観光菊花大会」との名称の催事(以下「本件催事2」という。)が,平成24年11月1日から同月23日までの午前10時から午後4時の日程で開催される。
     本件催事2では, 菊花約2000点を展示して一般客の観賞に供し,菊花の百の販売も行われる。(以上につき,疎甲20,疎乙9)
    (4) 本件申立て及び本訴の提起
     申立人は,平成24年10月30日,本案訴訟を提起し,本件申立てをした(なお,申立人は,本案訴訟の訴状において,主位的請求として,処分行政庁が本件申請についての処分を相当期間内にしなかった不作為の違法確認の訴えと申請型義務付けの訴えとしての一時的使用を許可する処分の義務付けの訴えとを併合提起し,予備的請求として,非申請型義務付けの訴えとしての一時的使用を許可する処分の義務付けの訴え(非申請型義務付けの訴え)を提起していたが,その後,本件処分がされたため,主位的請求に係る不作為の違法確認の訴えを本件処分の取消しを求める訴えと交換的に変更する旨の訴えの変更の申立て(行政事件訴訟法7条, 民事訴訟法143条1項) をし, 予備的請求を取り下げた。)。

    2 本件義務付けの訴えにつき「本案について理由があるとみえるとき」に当たるか否かについて
    (1) 行政事件訴訟法は,執行停止においては,積極要件として「重大な損害を避けるため緊急の必要があるときJ (25条2項)との要件を,消極要件(執行停止が否定される要件)として「本案について理由がないとみえるとき」(同条4項)との要件を定めているのに対し,仮の義務付け及び仮の差止めにおいては,積極要件につき「重大な損害」に代えて「償うことのできない損害」を規定するとともに,「本案について理由があるとみえるとき」をも積極要件とし(37条の5第1項,2項) ,執行停止よりも厳格な要件を定めている。このように,仮の救済の制度の中でも,仮の義務付け又は仮の差止めにつき,より厳格な要件が定められているのは,これらが,実質的には本案訴訟の裁判と同様の内容を仮の裁判で実現するものであることによると解される。
     そうすると,行政事件訴訟法37条の5第1項の「本案について理由があるとみえるとき」の要件が認められるためには,仮の義務付けの裁判の時点において,本案について理由が多少なりとも存する可能性があるといった程度では足りず,積極的に,本案について理由があると認め得る蓋然性があることが必要であるものと解される。
     以上の観点から,本件義務付けの訴えについてr本案について理由があるとみえるとき」に該当するか,以下検討する。
    (2) 本件公園は,都市公園法及び公園条例に基づき相手方が設置している都市公園であり,一般公衆の使用に供するための公共施設(公共用物)であって(都市公園法1条,公園条例1条,なお,地方自治法244条参照),本来,公衆は,他人の共同使用を妨げない限度で,その用法に従い,許可等を要せず,例えば散歩等に自由に使用することができる(このような使用を一般使用ないし自由使用という。)。
     しかし,公共用物の使用であっても,基本的にはこの自由使用の範障害に属するが,その範囲を超えて他人の共同使用を妨げたり,公共用物の管理に支障を及ぼしたりするおそれや,公共の秩序維持に支障を生じさせるおそれがある使用がされる場合には,公共の秩序維持に対する支障を未然に防止し,又はその使用関係を調整し,公共用物の管理に支障を及ぼすことを防止する必要があることから,そのような使用を一般的に禁止,制限した上で,特定の場合に申請に基づく許可によって禁止を解除してその使用を許すこととされ(このような使用を許可使用という。),さらに,公共用物の本来の用法を超え,特定人に特別の使用権を設定する場合には,いわゆる特許としての許可が必要とされることになる(このような使用を特許使用という。)。都市公園法6条1項は,公園施設以外の工作物その他物件又は施設を設けて都市公園を占用しようとするときは,公園管理者の許可を受けなければならないとしているが,これは後者の特許使用の許可に当たる。これに対し,都市公園法18条を受けて定められた公園条例13条1項は,物件を設けないで都市公園を占用しようとする者は,東京都規則の定めるところにより申請し,知事の許可を受けなければならないと定めているが,物件を設けない占用については,その占用使用が自由使用の範需に属する許可使用であるのか,自由使用としては許されない特許使用であるのかの判定は必ずしも一義的に明らかとはいえない。公園条例及び東京都立公園条例施行規則(昭和32年東京都規則37号)は,物件を設けないで都市公園を占用する場合については,具体的な許可基準を特に定めていないが,これもその占用の態様によっていずれの性格を有する場合もあり得るためと解することができる。
     本件では,集会のための使用が問題となっているところ,このような使用は公園の本来の用法の範囲内のものということができるから,そのための占用許可は許可使用に対する許可と解され,使用関係の調整,公園の管理に支障を及ぼすことの防止又は公共の秩序維持に支障が生ずることの防止の観点から許否が判断されるものというべきである。
     そして,使用関係の調整又は公園の管理に支障を及ぼすことの防止の観点からの許否の判断については,集会の用に供される本件公園の管理者において,本件公園の公園としての性格に応じ,また,その規模,構造,設備等を勘案し,公園としての使命を十分達成せしめるよう適正にその管理権を行使すべきところ,これらの点からみて使用を不相当とする事由が認められるか否か,これが認められない場合には,使用の希望が競合するなど使用関係の調整の必要があるか否かを具体的に検討すべきである。
     本件公園は,地方自治法244条にいう「公の施設」であり,相手方は,正当な理由がない限り,住民がこれを利用することを拒んではならず(同条2項) ,住民の利用について不当な差別的取扱いをしてはならない(同条3項)。また,集会を目的とする利用を公園管理者が正当な理由もないのに拒否するときは,憲法の保障する集会の自由の不当な制限につながるおそれがあるから,公園の管理に支障を及ぼすか否かの判断は,公園管理者の自由裁量に属するものではなく,客観的事実に照らして具体的に明らかに予測されるかどうかという観点から行われるべきである。
     東京都建設局長は,公園条例に基づく許可の審査基準を定めており,そのうちの13条1項の物件を設けない占用の許可の審査基準の中で,集会のための公園地の占用の許可申請があった場合の審査基準として, 崚該公園に集会が可能な広場があること」,◆崕顕颪,公園管理上及び公園周辺に特に支障を与えるおそれがある場合は許可しないことができる。」と定めているが(疎乙7),これらの審査基準は,集会の自由が憲法上の重要な基本的人権であることなどを踏まえつつ,前者については,物理的な可能性や使用関係が競合する場合の調整の面から利用可能であることを要求しているものであり,後者については,公園内で集会が開催されることによって,上記のような観点からみて公園管理上の支障が生ずる場合や公園周辺で人の生命,身体又は財産など基本的人権が侵害され,公共の福祉が損なわれるという具体的危険が生じる蓋然性がある場合には許可をしないことができるとしているものと解することができ,このような解釈を前提とすれば,上記審査基準に基づいて許否の判断をしても憲法21条に違反するものではないと解される(申立人は,最高裁平成元年(オ)第762号同7年3月7日第三小法廷判決・民集49巻3号687頁等を本件の参照判例として挙げ,集会の自由の制約は,人の生命,身体又は財産など基本的人権が侵害され,公共の福祉が損なわれるという明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見できる場合に限られると主張するが,これらの事案は,当該集会を開催している公共施設で利用関係の競合がなく,当該利用者の対立グループが存在する以外に当該公共施設の管理に支障を及ぼす事情もない中,当該利用者の集会の自由を制約し得るかが問題となったものであり,本件公園内の大部分につき利用を予定している者が既に存在している本件とは前提を異にするものといわざるを得ない(もとより,集会の自由が重要な基本的人権であることに鑑みて,慎重・厳格な審査をすべきであるとの点について異論を差し挟むものではない。)
    (3) そこで,以上の観点から本件をみるに,本件申請に係る日時においては,本件公園内の各施設は,全てその使用が予約されているところ,申立人が指摘する健康広場及び緑化道路については,収容能力,形態等からして,そもそも本件申請部分に含まれていたとは直ちには理解し難いところ,この点をおくとしても1万人という参加予定人数を前提とするとその収容能力を超えているといわざるを得ず,上記審査基準,望箸蕕掘に楫鏝園に本件デモ
    出発のための集会が可能な広場は認められない。
     次に,本件申請に係る午後1時から午後3時の時間帯を含めて,本件公圏内の日比谷公会堂や大音楽堂は,別の集会において利用予定であること,比較的広大な別紙4のの園地で本件催事1が,別紙4のい留狠呂任睨楫鏈纏2がそれぞれ開催される予定であることがそれぞれ認められるところ,これらの園地内の催事は,菊花の展示・鑑賞,農機具や生産品の展示をする出展だけにとどまらず,飲食物を提供する出展や農林水産物の展示即売,乗馬体験をすることも予定している大規模なものであって,本件申請に係る午後1時から午後3時の時間帯には,一般の公園利用者に加えて上記催事を目的とした相当多数の集客や関係車両の頻繁な往来が具体的に見込まれ,本件公圏内の園路上はもとより,周辺道路や地下鉄駅の地上出口と本件公園の間の円滑な往来を十分に確保する高度の必要性が認められる。
     他方,申立人は,本件デモの参加予定人数を1万人として本件申請をし(なお,甲10では100万人で国会議事堂等を包囲するとされている。) ,正確な参加人数は不明であるものの,これまで2回にわたり,数千人から数万人規模のデモを主催してきたことからすると,本件デモについても,少なくとも数千人以上は本件申請部分を集合場所として集合し,霞門やその付近の園路に本件デモの参加者が殺到して雑踏が生じ,最悪の場合は本件申請部分が閉塞される具体的危険性も認められる上,その使用場所の北端付近には,別紙4のイ里箸り,休日においても往来の多い晴海通り道路に面した桜門や祝田門が位置しており,上述のとおり本件公圏内に生じた雑踏により,円滑な園路通行を阻害することになり,最悪の事態として,園路上において関係車両との交通事故が生じる具体的危険性も認められる(なお,別紙4の図面上,霞門付近の園路にはパイパスとなる園路も認められるが,これらは狭溢であって1万人以上の規模の本件デモ参加者や利用者の円滑な往来を保障するに足るものとは認め難い。また,仮に申立人が主張するように本件申請部分付近が閑散としていたとしても,別紙4にあるように,園路は,本件公園の各門とつながっているから1か所でも雑踏を生じさせれば,上記説示の具体的危険性が見込まれるといわざるを得ない。)。
     そうすると,参加予定人数を1万人とし,本件申請部分を使用場所として,本件デモの集合場所・出発地点として使用する本件申請については,客観的事実に照らして公園管理上の支障が具体的かつ明らかに予測されるというべきであり,上記審査基準△砲盂催するものというべきである(なお,申立人は,これまでのデモで本件公園の別の門を集合場所・出発地点とした際には,混乱等がみられなかった旨を主張するが(疎甲21の1・2),疎乙12によれば,平成24年7月29日に行われたデモの際には,警察官も本件公圏西幸門付近で,デモの警備を行っていたものの,西幸門付近の千代田区立日比谷図書文化館の入口付近で同館利用者や公園の一般利用者の通行が阻害されるなど混乱が生じたとされている上,参加予定人数を1000人から1万人程度と見込んでいた従前のデモと当初から1万人以上を参加予定人数と見込んでいる本件デモとでは,上記危険の程度は異なるというべきであるし(当日の本件公圏内の他の催事の規模によっても異なり得る。),本件申請の際に,「集合状況をみつつ順次デモ出発」,「車両・一般人の通行確保等のため,警察とも協議し要員配置」とある程度で,具体的な警備態勢も明らかでなく,混乱等を防止する具体的な態勢も整備されているとは認められない中では,上記具体的危険が解消されると認めるには至らないから,上記申立人の主張は理由がなく,採用することができない。また,申立人は,本件申請部分の範囲は別紙4のド分とは異なるとも主張しているが,疎乙9,11によれば,申立人において,本件申請の際に,処分行政庁に対して,図面等をもって本件申請部分を申立人主張に係る部分と特定する説明をした形跡は特に認められないし,参加予定人数と本件公圏内の施設の収容能力,形態等から,使用承認申請書にいう「日比谷公園霞門とその周辺」から想定される本件申請部分を別紙4のイ里箸りと判断したとしても,決して不合理とはいえない。仮に本件申請部分が申立人の主張のとおりであったとしても霞門付近の園路や祝田門付近の園路や広場を使用するものであり,上記説示の園路と各門の経路に鑑みれば,霞門付近1か所でも雑踏が生じた場合,上記具体的危険性が見込まれるとの認定を覆すに至るものとはいえない。)。
     以上からすると,本件申請につき公園管理上の支障があるため許可しないとした本件処分は適法ということができ,これが取り消されるべきものであること(本件義務付けの訴えの訴訟要件(行政事件訴訟法37条の3第1項2号))については疎明がされていないといわざるを得ず,本件義務付けの訴えにつき,行政事件訴訟法37条の5第1項の「本案について理由があると認めるとき」の要件は満たさないこととなる。

    第4 結論
     よって,その余の点(行政事件訴訟法37条の3第1項所定の本件許可がされないことにより生ずる「償うことのできない損害を避けるため緊急の必要」があるか否か,同条第3項所定の公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがある場合か否か。)について判断するまでもなく,本件申立ては仮の義務付けの要件を欠くから,これを却下することとし,主文のとおり決定する。

    平成24年11月2日

    東京地方裁判所民事第2部
    裁判長裁判官 川神 裕
       裁判官 佐野 義孝
       裁判官 菅野 昌彦

    (別紙1)
    代理人目録

    小島延夫 河崎健一郎 穂積匡史 山下瑞木
    福田健治 江口智子  鈴木麻子 花澤俊之
    上柳敏郎 神原 元  阪田勝彦 小松圭介
    ※ ただし,花津俊之及び小松圭介は申立人復代理人である。

    以上

    • 0
      • -
      • -
      • -

      スポンサーサイト

      • 2015.09.16 Wednesday
      • 10:00
      • 0
        • -
        • -
        • -