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    国会周辺の抗議活動に対する警察の過剰警備に抗議する申入書

    • 2015.08.14 Friday
    • 15:58
    警視庁警視総監 殿
     
    国会周辺の抗議活動に対する警察の過剰警備に抗議する申入書
     
    はじめに
     私たちは、本年7月24日に国会周辺でデモを主催した「安倍政権NO!☆実行委員会」と、国会周辺の抗議デモを継続的に見守っている有志の弁護士で構成される「官邸前見守り弁護団」である。前者は、2012年から継続的に官邸前で抗議を行っている「首都圏反原発連合」や安保法制に反対する学生で構成される「SEALDs-自由と民主主義のための学生緊急行動」等が含まれている。
    現政権が所謂「安全保障関連法案」を国会に提出したことを契機に、現在、国会周辺及び首相官邸前周辺(以下、「国会周辺」という)においては、同法案に反対する市民の抗議活動(以下、「本件抗議活動」という。)が多数に参加者を得て活発に行われている。これに対し、警察は警備体制を強化しているが、その警備は過剰であり、憲法が保障する表現の自由を不当に制約しかねないものとなっていることから、次のとおり申し入れる。
     
    申入の趣旨
    1 国会、官邸周辺の警備については、抗議活動等に参加する市民の表現の自由の不当な制約に当たらぬよう必要最小限度の規制に限定されたい。
    2 必要な規制を行う場合には、集会の主催者に事前に警備計画を示して了解を得るものとし、当該計画は現場の全ての警察官に周知徹底されたい。
    3 抗議参加者に対するビデオ・写真による撮影は、絶対に行わぬよう、徹底されたい。
     
     
    申入の理由
    1 国会周辺の警備が過剰であり、憲法の保障する表現の自由を不当に制約する者であること
    (1) 本件抗議活動は、安保関連法案に反対抗議する活動であり、とりわけ同法案が衆議院を通過した7月15日頃からは参加者の人数も数万人に及ぶ等、大規模な国民運動となっている。
      憲法21条1項は、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と定める。民主主義と国民の権利は、「国民の不断の努力によつて保持しなければならない」(同12条)のであり、表現の自由はその最後の手段である。表現の自由は民主主義の生命線であって、専制政治に対する最後の防波堤であるから、国政上最大限の尊重を必要とする。とりわけ、本件で問題となる安保法制は全ての国民の生命に関わる問題であるから、国民がデモや集会により自らの意見を表明する権利を有するのは当然であり、本件抗議活動も憲法上「表現の自由」として保障され最大限度尊重されなければならない。
    また、警察活動については、基本的人権の擁護のために、比例原則の適用が憲法13条から導かれる憲法上の原則として認められる。比例原則は、権利・自由を制限する権力活動において、その権力活動が濫用にわたることを防止し、その限界を設定するために認められた原則であり、立憲主義の重要な要素をなす。この比例原則の適用にあたっては、当該権利・自由の制限について、〔榲が正当なものであるか、¬榲達成のために規制手段が必要なものであるか、5制によって得られる利益とこれによって侵害される権利・利益が均衡しているかが常に吟味されなければならない。
    本件で警察による警備活動の根拠法としては警察法第2条がある。同条1項は、「警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。」と定める。他方、同条2項は、「警察の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであつて、その責務の遂行に当つては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあってはならない。」と定めているから、参加者や歩行者の安全のために本件抗議活動に対して規制を行うことが許されるとしても、その規制は国民の生命身体の保護のために必要最小限度のものでなければならず、これを越える規制は憲法21条1項、同13条(比例原則)、及び警察法2条2項に違反して、違憲・違法である。
      なお、国会周辺における抗議活動は、2012年4月頃から、「脱原発」「秘密保護法」等のテーマで様々な団体が2012年頃から引き続き行ってきた。それらの抗議活動は所轄の警察署に相談しながら整然と行われており、これまで一定の秩序が保たれてきた。今回の規制の適否を判断するにあたっても、これまで3年間に保たれてきた既存の状態を一種の慣習法として尊重すべきである。
    (2) この観点からみた場合、本件抗議活動に対する警備とその規制は、以下にみるとおり明らかに過剰であり、2012年以来行われてきた規制をも著しく上回るものであるから、必要最小限度の規制とはいえない。
     ,垢覆錣繊警察は、抗議エリアとなった国会正門前交差点周辺の歩道と車道の間に「鉄柵」をもうけ、歩道上で抗議する参加者を「檻」の中に囲った。「鉄柵」には警察官が何重にも並んで参加者を威圧した。仮に「鉄柵」は参加者が車道に出ないようにする趣旨だとしても、鉄柵の使用は参加者を「檻」に閉じ込め、威嚇するものであり、参加者の表現行為を著しく制限・制圧するものである。
      鉄柵については、2012年8月にも有志弁護士によって抗議の対象になっている。本件においても、その必要性が疑わしい。
    ◆,泙拭∧眛擦瞭眤Δ砲魯ラーコーンにより「通路」が設けられた。7月15日の段階で警察官は歩道と車道の間に設けられた鉄柵の外にいたが、16日には「通路の確保のため」と称して鉄柵の内側に並び、参加者を威嚇した。2012年以来行われてきた抗議においても、歩道内に警察官が並ぶということはなかった。これは明らかな過剰な警備である。
      7月17日と24日には、参加者の列を輪切りにするように鉄柵をもうけられた。これは参加者をそれ以上国会に近づけないための措置と思われるが、抗議スペースを狭くして参加者を圧迫する過剰警備であり、その後主催者側の抗議で撤廃されたことからも明らかであるとおり、何の必要性、合理性もないものである。
      さらに、7月24日には、「通路確保のため」と称して鉄柵の内側に、さらに鉄柵で囲まれた「スペース」を作った。これは、抗議スペースを狭くし、参加者を圧迫するものであり、何の合理性もない明らかな過剰警備であった。
     国会正門前交差点の横断歩道は、毎回抗議が始まると同時に鉄柵で閉鎖された。このため、国会正門前交差点南庭側には横断歩道の周辺に鉄柵でスペースを作り、横断歩道には近寄ることもできなくなった。財務省上交差点から国会正門前交差点北庭に向かうルートが閉ざされ、財務省坂上から国会にむかう人は「国会前交差点」方向に迂回することを余儀なくされた。また、国会正門前北庭から南庭への横断も規制され、北庭の歩道に人が溢れて危険な状態になった。
      2012年来行われてきた抗議等の活動においても、国会正門前交差点の横断歩道はしばしば閉鎖された。しかし、それは歩道に人が溢れ危険が増した場合に限定されており、人が少なくなれば直ちに解除された。抗議中一律に歩道を閉鎖することには合理性がなく、過剰な規制である。
    ぁ,気蕕法■祁遑横監には、国会前交差点南庭側から北庭側に渡る横断歩道が20分間ほど閉鎖され、財務省上交差点から来た人々が困惑するという場面があった。人々はいらだちを警察官にぶつけたため、一触即発となって小競り合いが生じた。その結果、同日にはこの付近で逮捕者も出ている。
    主催者側の抗議でこの閉鎖が解消されると、警察官らは、今度は有楽町線桜田門駅から国会北庭側に向かうルートを閉鎖し、駅から国会に向かう人々に対して憲政会館方向への迂回を命じた。これに対し、主催者側が国会正門方向への誘導を試みたため大混乱が生じた。ここでは、警察が空きスペースがあるにもかかわらず反対方向に誘導するため、多くの参加者は「ニセの誘導をされた」「嘘をつかれた」と認識しており、それゆえに混乱が深刻なものになったのである。
      国会前交差点が閉鎖されるという事態は2012年以来一度もなかった。この際、横断歩道北庭側には十分なスペースがあり、歩道を閉鎖する必要性は乏しかった。このことは主催者側の抗議によって撤廃されたことからしても明らかで、異常かつ非常識な過剰規制であった。
      また、国会正門方向にも十分な空きスペースがあったことから、有楽町線桜田門駅から国会に向かうルートを閉鎖したり、憲政会館方向への迂回を命じる必要もなかった。警察が、そのような規制をし、主催者側が国会正門方向への誘導を試みたためかえって大混乱が生じ、危険が広がったのである。このようなことがないように、実際にスペースがない場合をのぞいて参加者に無駄な遠回りを強いることのないようにするべきである。
    (3) そもそも、現場の状況からは、歩道の中の鉄柵などは通路を異常に狭くしており、歩行する参加者が鉄柵に当たり怪我をする可能性も多いにあるし、不必要な、あるいは誤った誘導により、多数の集会参加者が混乱かつ苛立ち、人の流れを妨げ、狭い場所に大勢の参加者が押し込められるなどしており、むしろ警備により危険な状態が作出されているのである。このような警備は、参加者の身体の安全に資していないのであるから、警察法2条の個人の身体の保護目的からも逸脱している。このように、警察法の趣旨に反する行き過ぎた規制は、参加者らからは、集会たる表現行為を抑圧しようという意図に基づくものではないかとの疑念すら上がっており、警察の中立性を毀損する結果を招いている。
    (4) なお、警察は過剰な警備を行う一方で、要保護者に対する必要な保護には欠くところがあった。
      24日、国会前南庭側に4名の視覚障害者が永田町方面に帰るためスタッフが警察に誘導を依頼する場面があった。この場合、視覚障害者については規制を解くべきであったが、そのような対応はなされなかった。
    (5) なお、日本弁護士連合会は、本年3月11日、警察がデモ行進を分断させる措置をとり,更には,デモ行進について,その周囲を取り巻く等のいわゆるサンドイッチ規制が行われた事例で人権救済が申し立てられた事案(日弁連総第117号)について「このような状態の中で,デモ行進が分断され,また参加者と沿道の公衆の分断が図られ,沿道の公衆にはデモ行進の主張が十分に伝わらず,また,そのものものしい警備によって,沿道の公衆には本件デモに対する畏怖心や警戒心すら抱かせるおそれがあった。更には,デモ参加者が集団から離脱することさえも困難な状況となったと判断できる。」「前記認定のような規制行動をとることは,デモ参加者以外の者の通行の安全の確保等という警備の目的との関係において,著しく均衡を欠いていると判断でき,本件警備は過剰であった。したがって,本件警備は過剰であり,憲法上の立憲主義の要請としての比例原則に著しく反し,申立人らの表現の自由を侵害したと判断せざるをえない」と判断していることも参照されるべきである。
    (6) 以上のとおり、本件抗議活動に対する規制は、2012年以来行われてきた規制と比較しても著しく過剰であり、一部の規制は抗議によって撤廃されたことからからも明らかであるとおり、必要最小限度とはいえないものである。そればかりか、過剰な規制によって多数の集会参加者が混乱し、かえって人の流れを妨げ、危険な状態が作出されるに至ってすらいる。そうすると、本件抗議活動に対する規制は、憲法21条1項、警察法2条2項に違反して、違憲・違法であった。
      そこで、申入の趣旨第1のとおり、国会、官邸周辺の警備については、抗議活動等に参加する市民の表現の自由の不当な制約に当たらぬよう必要最小限度の規制に限定するよう、申し入れるものである。
     
    2 必要な規制については事前に主催者側に提示して了承を得るとともに、警察官らに周知徹底させる必要があること
    (1) 本件抗議は数万人規模の人々が参加しており、時間帯も夜に及ぶことから、雑踏による混乱、多くの人々が集中することによる群集事故・雑踏事故を防ぐ必要性があることは否定しない。しかし、本件の問題は、そのような雑踏警備であっても、その規制内容が主催者側の同意なく一方的に行われるため、参加者の反発を招き、かえって混乱を引き起こしていることである。
    (2) 例えば、7月24日に国会前交差点南庭側が封鎖された際、現場には30名ほどの参加者とほぼ同数の警察官が相対していたが、財務省坂交差点から誘導されてきた参加者らは警察の対応に苛立っており、先に進もうとする参加者を力ずくで止めようとする警察官との間で、双方体を押し合う小競り合いが発生していた。参加者が苛立つ原因は、横断歩道反対側には十分なスペースがあり、規制は不要でないかと思われることや、警察の規制が事前に知らされておらず、かつ警察官が威圧的な態度で一方的に規制を命じることに反発したためである。警察官の中には、指揮棒と称する白い警棒用のものを(犬を追い回すように)振り回して参加者を挑発する者もおり、その態度は混乱に拍車をかけていた。
      また、この直後、警察官が、有楽町線桜田門駅から国会正門方向に向かう人々に対して憲政会館方向への迂回を命じると、主催者側が、逆に、国会正門方面への誘導を試みたため混乱に拍車がかかった。
      このような混乱を避けるためには、前記のとおり参加者に無駄な遠回りを強いることのないようにするべきことに加え、警察が事前に規制内容を主催者側に通知し同意を得ておくこと、参加者の誘導はできるだけ雑踏警備を行う警察ではなく、抗議活動を運営している主催者側に委ねることである。実際、17日には主催者側が国会正門前歩道の通路確保を行い、参加者の協力を円滑に得ることができた例がある。
    (3) さらに、規制については警備に参加する警察官らに周知徹底させ、現場判断で勝手な規制を設けないことも重要である。
      既に述べたとおり、7月17日と24日には、警察は、参加者の列の間に鉄柵をもうけて区切ったが、主催者側の抗議で撤廃された。また、上記のとおり、7月24日には、「国会前」交差点南庭側から北庭側に渡る横断歩道が閉鎖されたが、主催者側の抗議で20分ほどで解消されている。これらの抗議について、現場の警察官らは、「上の指示だ」と説明していたが、その後「上の指示」で解消されているのであるから、現場の判断で勝手に行われた規制であるか、そうでなければ、警備担当者の指揮命令系統が混乱している可能性がある。
      そこで、このような混乱を防ぐためには、警視庁及び所轄警察署において主催者側と規制内容を打ち合わせし、これを警察官らにも周知徹底し、現場の判断でむやみに変更しないことが必要なのである。
    (4) 以上のとおりであるから、申入の趣旨第2のとおり、必要な規制を行う場合には、集会の主催者に事前に規制計画を示して了解を得るものとし、当該計画は現場の全ての警察官に周知徹底するよう、申し入れるものである。
     
    3 抗議参加者に対するビデオ・写真による撮影は肖像権・人格権の侵害であること
     
    (1) 本件抗議活動に対して、警察当局が、参加者をカメラやビデオで撮影している場面が何度も目撃されている。
      しかし、前記のとおり、本件抗議に対する警備の根拠が2条1項にあり、その目的が国民の生命身体の安全保護にある以上、参加者への撮影行為は全く不要であり、同条2項に違反する。
    (2) また、最高裁昭和44年12月24日判決は「警察官による個人の容ぼう等の写真撮影は、現に犯罪が行われもしくは行われたのち間がないと認められる場合であって、証拠保全の必要性および緊急性があり、その撮影が一般的に許容される限度をこえない相当な方法をもつて行われるとき」は違法でないとするから、この要件に照らせば、本件では、かかる撮影自体が違法であるというほかない。
    (3) さらに、警察によるビデオ撮影は、その行為によって、本件官邸前抗議行動に参加する者に対し、威圧的効果を持つものであって、表現の自由に対する侵害としての意味も有する。とりわけ、本件抗議活動には、大学生やそれ以下の若い人たちが多く参加しているところ、学生については、「デモの参加は就職に影響するのではないか」等の疑わしい情報が出回っている(朝日新聞朝刊本年7月30日記事参照)。これらの事情に照らせば、警察による個人情報の収集(個人の容貌の撮影)はデモや集会への参加それ自体への障害になり、国民の権利行使の妨げとなる。
    (4) 加えて、写真等撮影をする公安担当者の中には、写真撮影をやめるように申し入れた弁護士に対し、「なぜ写真撮影をしてはダメなのだ」、「法的根拠を示せ」などと言い放つ、上記最高裁判例を知らない者すらいるのであって、驚愕すべき事態である。そして、何度注意しても、それでも主催者たちが多く集まるメインステージに向けて、しつこく撮影している者もおり、集会主催者に対し、このような集会をすべきでないと威嚇するつもりか、あるいは、それらの者に対し違法な身辺調査をする目的があるとしか思えないものすらある。
    (5) 以上のとおりであるから、申入の趣旨第3のとおり、抗議参加者に対するビデオ・写真による撮影は肖像権・人格権の侵害であるから、絶対に行わぬよう、申し入れるものである。
    以上
    2015年8月14日
    安倍政権NO!☆実行委員会
    官邸前見守り弁護団  
     
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