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    11/5即時抗告棄却決定

    • 2012.11.05 Monday
    • 23:46
     東京高等裁判所第7民事部は、弁護団の即時抗告を棄却しました。


    ***


    平成24年(行ス)第58号仮の義務付けの申立却下決定に対する抗告事件
    (原審・東京地方裁判所平成24年(行ク)第395号)

    決 定

    当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり

    主 文
     本件抗告を棄却する。
     抗告費用は抗告人の負担とする。

    理 由

    第1 抗告の趣旨及び理由
     本件抗告の趣旨及び理由は,別紙「即時抗告申立書」及び「抗告理由書」記載のとおりである。

    第2 事案の概要
    1 本件は,首都圏において原子力発電所の再稼働の反対等を訴える集団行進又は集団示威行動を主催する集団や個人の連絡組織である「首都圏反原発連合」も(以下「本件連合」という。)の一員であると主張する抗告人(原審申立人)が,東京都が設置する都市公園である日比谷公園(以下「本件公園」という。)から国会周辺まで脱原発を訴える集団示威運動としてのデモ行進(以下「本件デモ」という。)を行うことを企画し,本件デモの主催者として,東京都立公園条例(昭和31年東京都条例第107号。以下「公園条例」という。) 1 3条1項に基づき,平成24年10月26日,処分行政庁に対し,本件公圏内の霞門とその周辺(以下「本件申請部分」という。)を本件デモ出発のために同年11月11日午後1時から3時までの間一時的に使用することの承認を求める許可申請(以下「本件申請」という。)をしたところ,処分行政庁が,同月3 1日,公園管理上の支障となるため許可しない旨の処分(以下「本件処分」という。)をしたため,抗告人が本件処分の取消し及び本件申請に係る許可(以下「本件許可」という。)の義務付けを求める訴え(東京地方裁判所平成24年(行ウ)第754号。以下この義務付けを求める訴えを「本件義務付けの訴え」という。)を提起するとともに,仮の義務付けを求める申立て(以下「本件申立て」という。)をした事案である。
    2 原裁判所は,本件処分が取り消されるべきものであることについての疎明がないから,本件申立てについては,行政事件訴訟法37条の5第1項の「本案について理由があるとみえるとき」 の要件が満たされていないとして,これを却下する決定をした。
     抗告人は,これを不服として抗告した。

    第3 当裁判所の判断
    1 疎明事実
     一件記録によれば,以下の各事実が一応認められる。
    (1) 当事者等
    ア 抗告人は,東京都の住民であり,平成23年9月に成立し、数次にわたり,原子力発電所の再稼働等の反対を政府等に訴える集団行進又は集団示威運動を主催してきた本件連合に所属しており,本件デモの主催者となったと主張している者である。(疎甲2,3)
    イ 処分行政庁は,東京都公園緑地事務所長委任規則(昭和47年東京都規則第171号) 2項(3)号,東京都組織規程(昭和27年東京都規則第164号)別表三の8(3)に基づき,本件公園につき,東京都知事から公園条例13条所定の物件を設けない都市公園の占用許可権限の委任を受けている。(疎乙4,5)
    ウ 公益財団法人東京都公園協会は,平成21年4月1日に東京都から地方自治法244条の2に基づく指定を受け,本件公圏内に日比谷公園サービスセンター(以下「本件センター」という。)を設置して,本件公園の管理を行っている。(疎乙9)
    (2) 本件処分に至る経緯及び本件処分
    ア 本件連合は,本件申請より前に,(神24年3月11日には「3.1 1東京大行進一追悼と脱原発への誓いを新たにー」との名称で,同年7月29日には「7.2 9脱原発国会大包囲」との名称で,それぞれ大規模なデモを主催し実行した。これらのデモの参加者数は,警察発表で,,砲弔7000人,△砲弔2万7000人程度であった。(疎甲2,6,9)
    イ 本件連合の代表者は,日比谷公園サービスセンター長(以下「本件センター長」という。)に対し,,離妊發砲弔い董に楫鏝園の中幸門につき一時使用したい旨の公園地一時使用届出書を提出し,△離妊發砲弔い討癲な神24年4月23日,参加人数約1000人でデモ行進出発のため,同年7月29日午後3時から午後3時30分までの間,本件公園の中幸門につき一時使用したい旨の公園地一時使用届出書(疎甲7)を提出していた。
     そして,東京都公安委員会に対し,,離妊發砲弔い討脇映2月28日,参加予定人数を1000人,集合場所を本件公園中幸門とするなどと記載した集団示威運動許可申請書を,△離妊發砲弔い討脇映7月23日,東京都公安委員会に対し,参加予定人数を1万人,集合場所を本件公園中幸円とするなどと記載した集団示威運動許可申請書を,それぞれ提出し,いずれのデモについても,一定の条件が付されてはいるものの,東京都公安委員会から集団示威運動の許可を受けていた。(疎甲2ないし疎甲8の2)
    ウ △離妊發坊犬觚園地一時使用届出書(疎甲7) の「日時」欄には不動文字で「*集合から出発終了まで30分以内とすること。」「*大音楽堂・公会堂を使用する大規模な出発の場合は別途協議する。」 と記載されていたほか「備考」欄の下にも不動文字で「大音楽堂・公会堂以外の公園地での集会はできません。」と記載されていた。そして,本件連合が本件センターに対し届け出た△離妊發坊犬觸弦膸間は午後3時30分から午後4時まで(当初は午後3時から午後3時30分までであったが,変更申出により変更された。),参加予定人数は約1000人であったが,平成24年7月29日当日は午後2時ころから参加者が集まりはじめ,結果的には1万人以上(主催者側の本件センターに対する説明だと1万3000人)が集まり,デモの出発が始まったのは届出時間より30分遅れの同日午後4時であり,最後尾が本件公園を出発したのは同日午後6時10分であった。
     この間,デモ参加者が, 日比谷図書館文化館正面入り口わきの園路上にビールケースを複数かぶせた仮設の演壇を設営し始めたので,本件センターの係員が集会は認められていないことを伝え,撤去するよう指導したが,デモ参加者らはこれを無視し, 日比谷図書館文化館長が主催者側に直接抗議をした後も設営は続行された。同日午後3時から演壇を利用した主催者挨拶が始まり,著名人などが次々と演説を始めたため,本格的な集会となり, 日比谷図書館文化館から日比谷公会堂の聞の園路は人で埋まり,一般来園者の園路の通行が困難になった。また, 日比谷公会堂の施設西側の階段にデモ参加者が座り込むなどしたため,日比谷公会堂の催事の参加者が退場するための通路を確保することができなくなった。(疎甲7,23,疎乙12,13)
    エ 本件連合は,上記△離妊發猟掌紊任△詈神24年8月頃から,同年11月11日に「11.11反原発100万人大占拠」との名称の大規模なデモ行進(本件デモ)を計画した。本件連合は,当初は,従前と同様,本件センター長に対して,公園地一時使用届出書を提出することにより,本件公園を本件デモの出発地として利用することができると考えていたが,同年9月ころ,本件連合のメンバーの一人が本件センターに相談したところ,相手方においては,同年8月ころ,公園地一時使用届出書を廃止し,公園条例13条1項の占用許可による運用に変更していたため,公園地一時使用届出書を提出しても受け付けられないことが判明した。
    本件連合は,同年9月から10月にかけて,警視庁とも打ち合わせを行ったうえで,東京都建設局東部公園緑地事務所と折衝し,本件デモの集合場所として本件公園の利用を認めるよう求めたが,相手方は,本件公園の日比谷公会堂及び大音楽堂以外では集会,デモを禁止しており,同年11月11日は両施設とも予約が入っているうえ,園地も大規模イベントが予定されているので,同日の本件デモのための本件公園の利用は認められないとの立場を譲らなかった。(疎甲2,23,乙9)
    オ そこで,抗告人は,平成24年10月26日付けで,処分行政庁に対し,「目的及び種別Jにつき「集会(デモ出発のための一時使用。集合状況をみつつ順次デモ出発)」, f承認希望日時」につき「2012年11月11日(日曜)13〜15痔」,「使用希望施設」につき「日比谷公園霞門とその周辺」 (本件申請部分。その範囲については,争いがある。),「参加人員の詳細」につき「予定人数1万人」などと記載した,使用承認申請書を提出して本件申請をした。(疎甲1)
    カ 処分行政庁は,平成24年10月31日付けで,本件申請につき,公園管理上の支障となることを理由に許可しない旨の本件処分(24東公管第971号)をした。(疎甲13,疎乙1,7)
    キ なお,本件申請部分の範囲について,抗告人は原決定別紙2の平成24年11月2日付け主張書面(3)に記載された部分(以下「健康広場等部分」という。)であると主張しているが,相手方は原決定別紙4のド分(以下「主園路部分Jという。)であると理解している。
    (抗告人の原審主張書面(3),疎乙11)
    (3) 本件公園の現況及び使用状況等
    ア 本件公園は,晴海通り,日比谷通り,国会通り及び祝田通りに固まれた長方形の形状をした公園であり,その圏内には,日比谷公会堂(収容人員2074名)及び大音楽堂(収容人員3114名)の2か所の集会施設が設置されているほか,第一花壇,第二花壇,小音楽堂,大噴水,健康広場,草地広場,にれのき広場等からなる園地がある。圏内には周辺道路に面した各門と園地・圏内各施設への往来のための動線である園路が設置されており,本件申請部分である霞門は,本件公園の南西部の国会通りに面した西幸門及び中幸門と本件公園の北東部の晴海通りに面した桜門を結ぶ主園路が途中で祝田通りに接するように西側に湾曲した部分に存し,祝田通りに面している。(甲19,相手方の原審意見書その2)
    イ 本件公園の平成24年11月11日の使用状況は以下のとおりである。
    (ア) 日比谷公会堂及び大音楽堂
     両施設ともに別件の集会のため終日使用の予約がされている(原決定別紙4のゝ擇哭∋仮函法(疎乙9,10)
    (イ) 原決定別紙4のの園地部分
     農林水産省及び財団法人日本農林漁業振興会主催の「第51回農林水産祭実りのフェスティパル」との名称の催事と第3回ファーマーズ&キッズフェスタ実行委員会主催の「第3回ファーマーズ&キッズフェスタ2012」との名称の催事(以下「本件催事1」と総称する。)が,平成24年11月10日及び11日の午前10時から午後4時までの日程で併催される予定である。これらの催事は,これまではそれぞれ単独で実施されており,昨年度実緩では,それぞれ2日間で4万人以上の来場者があり,本年は,初めて併催される形になることから,当日は多くの来場者が予想されており,主催者は混雑時に入場制限することも予定している。
    また,本件催事1では,農機具や生産品の展示をする出展だけにとどまらず,飲食物を提供する出展や農林水産物の展示即売,乗馬体験等も予定されている。(疎甲17,18,疎乙9,14)
    (ウ) 原決定別紙4のい留狠鷲分
     日比谷公園菊花連盟,東京都及び千代田区主催の「平成24年度東京都観光菊花大会」との名称の催事(以下「本件催事2」という。)が,平成24年11月1日から同月23日までの午前10時から午後4時の日程で開催される。
     本件催事2では,菊花約2000点を展示して一般客の観賞に供し,菊花の苗の販売も行われる。(疎甲20,疎乙9)
    ウ 抗告人が本件申請部分であると主張している健康広場等一部分は,祝回通りと晴海通りとが交わる本件公園の北角付近にある健康広場と祝田通り沿いの緑地道路と並行する健康広場から霞門方面に向かう園路からなる部分である。本件公園の北西部には,祝田通りに面した出入口が2つあり,当該出入口からは,本件公園の主園路を通ることなく,健康広場に出入りすることができる。健康広場の南側にはテニスコートがあり,健康広場から霞門方向へ向かう園路は,幅員約2メートルから2.5メートルの未舗装の散策路であり,その延長距離は,約15 0メートルである。散策路は,飲食屈の日比谷パレスの裏側を通り,トイレの横で主園路に通じ,主園路を経由して霞門に到達することができる。(疎甲19,23,26,乙11,抗告人の原審主張書面(3))
    (4) 本件連合が計画している本件デモの参加者の誘導体制等
     本件連合は,平成24年11月11日の本件デモの当日は,警備誘導等の要員として本件公園の4隅や各出入口に合計150名程度を配置するほか,霞門横に宣伝カーを配置し,参加者に対し,本件公園の外周の歩道を経由して,上記祝田通りに面した出入口から健康広場に参集するよう誘導し,本件デモが主園路を経由する部分は,人員の配置及びコーンやロープの設置により,本件デモ参加者には主園路の北西側の車線のみを通行させ,主園路の南東側の車線は運搬車両や一般の通行人のために確保する計画である。また,抗告人は,当日,大音楽堂を使用する団体が午後3時半から予定している本件公園を出発地とするデモとの調整についても警視庁と打ち合わせをし,仮に本件デモの出発が午後3時を過ぎたときは,上記団体の出発時間を遅らせるか,本件デモを途中で打ち切るなどの方策を採ることになっている。
    (5) 本件申立て及び本訴の提起
     抗告人は,平成24年10月30日,本案訴訟(本件処分後の訴え変更により,本件処分の取消の訴え及び申請型義務付けの訴えとしての一時的使用を許可する処分の義務付けの訴えの併合提起に整理された。)
    を提起するとともに,本件申立てをし,処分行政庁は本件申請(同年11月11日のデモ出発のための本件公園霞円周辺の一時的使用申請)を仮に許可せよとの決定を求めた。(顕著な事実)

    2 判断
     当裁判所も,本件に顕れた全疎明を検討しでも,本件処分は取り消すべきものということはできないから,行政事件訴訟法37条の5第1項の「本案について理由があるとみえる」という要件は満たされておらず,同項の「義務付けの訴えに係る処分がされないことにより生ずる償うことのできない損害を避けるための緊急の必要性」について判断するまでもなく,本件申立ては理由がないと判断する。その理由は,以下のとおり付加訂正のうえ,次項以下において当審における抗告人の主張に対する判断を付加するほか,原決定の「第3 当
    裁判所の判断」の2(6頁22行目から13頁2行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
    (1) 原決定の付加訂正
    ア 9頁14行目の「審査基準」の次に「(以下「本件審査基準」という。)」を加える。
    イ 11頁17行自の「また,仮に申立人が」から20行目の「言わざるを得ない」までを削り, 12頁7・8行自の「本件申請の際に,」から10・11行自の「認められない中では」を「抗告人がその陳述書(疎甲23) において述べる警備・誘導体制だけでは」に改める。
    ウ なお,引用に係る原決定中「別紙」とあるのは,いずれも「原決定別紙」と読み替える。
    (2) 抗告人の当審における主張について
    ア 抗告人は,本件公園に1万人が同時に集合することはなく,一度に本件申請部分を使用する人数は5000人から6000人程度が上限であり,他方,健康広場等部分には7000人が収容可能であるから,本件申請部分である健康広場等部分は,デモの出発場所としての使用のために十分な収容能力があり,原決定の事実認定には誤りがあると主張する。
     しかしながら,本件デモは,特定の組織化された団体によるものではなく,広く一般市民に参加を呼びかけて行われるものであるから,その参加者の人数をあらかじめ相当程度の確度をもって把握することは容易ではなく,現に平成24年7月29日のデモの際には,本件連合があらかじめ提出した公園一時使用届出書において「参加人数約1000人でデモ行進出発のため,同日午後3時30分から午後4時までの間,本件公園の中幸門につき一時使用する」旨記載していたが,実際には当日本件公園の中幸門付近には1万人以上が集まり,デモの最後尾が本件公園を出発したのは午後6時10分となったことは, 前記1(2)ウ記載のとおりであって,本件において提出された各疎明を検討しでも,本件申請部分を使用する人数が抗告人主張のような人数にとどまると認めることは困難である。むしろ,抗告人自身が,本件申請に係る申請書(疎甲1)において「参加人員の詳細」の項に「予定人数10,000人」と記載して申請していることからしても,本件申請の許否を判断するに当たって,処分行政庁が,抗告人主張のように参加人数を5000人から6000人程度が上限であることを前提とせず,本件申請に係る1万人が現に本件公園に来場した場合を想定して,これを収容することが可能な広場があるかどうかという観点から本件申請の可否を判断したことが不合理とはいえない。
     また,健康広場等部分の収容能力の点についてみると,疎乙14によれば,抗告人が主張する健康広場は,樹林地を除いた面積が約2000平米であることが認められるから,抗告人が主張するとおり1平方メートル当たり2名が可能であると計算しても,4000人程度の収容能力しか有してないものと推定される。
     そして,上記健康広場以外の部分である〃鮃広場から霞門に向かう緑化道路に平行して設置されている散策路,∋矯路から主園路を経由して霞門に至るまでのスペース及びテニスコート脇のスペースを加えて検討するとしても,疎明(疎乙11,14)によれば,これらの面積は,,錬械沓喫進メートル(,蓮ど員約2メートルから2.5メートル,延長距離150メートルの通路であるところ,幅員をすべて2.5メートルとして計算した場合の面積) ,△鰐鵤械娃以進メートル(幅5メートル,延長約50メートルの部分の約250平方メートルと霞門付近のスペース50平方メートルを合わせた面積),は320平方メートル(幅4メートル,延長80メートル)であると認められるから,その合計は995平方メートルであり,仮にこれらの部分にも健康広場と同様に1平方メートル当たり2人が収容可能であるとしても,収容可能な人数は1990人と推定される。その結果,健康広場部分等の散策路を含む利用可能なスペースすべてを利用しても,その収容能力は5990人にとどまるものであって,原決定が本件申請部分である健康広場等部分に1万人を収容する能力はないと判断したことが,客観的な証拠に基づかないものであるとはいえない。
     したがって,この点についての抗告人の上記主張は理由がなく,この点に関する原決定の判断が事実を誤認したものとは認められない。
    イ また,抗告人は,警視庁との間で他の団体のデモとの調整について打ち合わせ済みであり,本件デモ参加者の誘導警備のための人員を配置する具体的計画もあるから,本件デモの当日,本件公園を利用する他の団体等との競合による公園管理上の支障が生じることはないと主張し,疎甲23の陳述書にはこれに沿う陳述部分がある。
     しかしながら,上記のとおり,抗告人が本件申請部分として主張する健康広場等部分の収容能力は,前記認定のとおり,利用可能なスペースすべてに本件デモの参加者を収容したとしても約6000人程度であり,実際に,前記の,了矯路及び△了矯路から主園路を経由して霞門に至るまでのスペースの全部に参加者が集合するとすれば,当日の本件公園の使用状況(前記1(3)イ)に照らせば,それ自体で,他の公園利用者の支障が生ずる具体的な蓋然性があるのみならず,本件申請に係る1万人が本件公圏内に来場したときは,健康広場等部分だけでは収容することはできず,健康広場等部分以外の園地に本件デモの参加者があふれ出し,他の公園利用者の利用との聞に競合を生ずる可能性があることは容易に考えられるところであって,現に,本件連合が平成24年7月29日に実施したデモにおいては,本件連合において相当数の誘導入員の配置をしていたにもかかわらず,本件公園の他の利用者の出入りを阻害するという結果が生じていたことや,本件デモの参加者が本件公園の係員等の制止や抗議を無視して演壇を設営するなどしていたことに照らすと,上記陳述部分は,にわかに採用することができない。
     したがって,本件申請に係る使用が行われたとしても混乱が生ずる可能性がないとの抗告人の主張は理由がなく,この点に関する原決定の判断に誤りがあるとは認められない。
    ウ さらに,抗告人は,原決定が認定した公園管理上の支障とは,客観的な事実に基づかない抽象的な危険であって,証拠上の根拠を欠くと主張する。
     しかし,原決定は,使用関係の調整又は公園の管理に支障を及ぼすことの防止の観点からの許否の判断については,集会の用に供される本件公園の管理者において,本件公園の公園としての性格に応じ,また,その規模,構造,設備等を勘案し,公園としての使命を十分達成せしめるよう適正にその管理権を行使すべきであり,公園の管理に支障を及ぼすか否かの判断は,公園管理者の自由裁量に属するものではなく,客観的事実に照らして具体的に明らかに予測されるかどうかという観点から行われるべきであるとしたうえで,集会の自由が憲法上の重要な基本的人権であることなどを踏まえつつ,物理的な可能性や使用関係が競合する場合の調整の面から利用可能であるか,公園内で集会が開催されることによって,公園管理上の支障が生じたり,公園周辺で人の生命,身体又は財産など基本的人権が侵害され,公共の福祉が損なわれるという具体的危険が生じる蓋然性があるかという点を,当審が前記1に認定したのと同様の客観的事実を認定したうえで,これらの事実に基づいて判断したもので、あって,抗告人の主張するように事実的裏付けのない抽象的な危険に基づいて判断したものとは解されない。
     したがって,この点についての抗告人の主張は理由がない。
    (3) 以上によれば,集会の自由が憲法に保障された重要な基本的人権であり,また,本件デモを実施するについて本件申請部分を使用する強い必要性が存在することが認められることは,抗告人主張のとおりであるが,本件申請に係る日時における本件公園の利用状況や収容能力を前提とする限り,公園管理上の支障を理由に,本件申請を許可しないとした本件処分は,やむを得ないといわざるを得ない性質のものであって,これを違法ということはできない。
     そうすると,本件処分が取り消されるべきものであることについての疎明はないというべきであるから,本件申立てを却下した原決定は相当であって,本件抗告は理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり決定する。

    平成24年11月5日

    東京高等裁判所第7民事部
    裁判長裁判官 市村 陽典
       裁判官 齊木 利夫
       裁判官 清水 響

    別紙
    当事者目録

    抗告人 小泉岳義
    同代理人弁護士 小島 延夫
    同       福田 健治
    同       上柳 敏郎
    同       河崎健一郎
    同       江口 智子
    同       神原  元
    同       穂積 匡史
    同       鈴木 麻子
    同       阪田 勝彦
    同       山下 瑞木
    同       花澤 俊之
    同       小松 圭介

    東京都新宿区西新宿二丁目8番1号
    相手方 東京都
    同代表者知事代理副知事 猪瀬 直樹
    処分行政庁 東京都東部公園緑地事務所長
          北原 恒一
    同指定代理人 江村 利明
    同      直井 春夫
    同      村木 健司
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      11/3即時抗告理由書

      • 2012.11.05 Monday
      • 23:42
       平成24年(行ス)第58号 日比谷公園霞門一時的使用許可仮の義務付け却下決定に対する即時抗告申立事件
      抗告人 小泉岳義
      相手方 東京都(処分行政庁 東京都東部公園緑地事務所長)

      抗 告 理 由 書

      2012年11月3日

      東京高等裁判所第7民事部 御中

      抗告人代理人      
      弁護士 小島 延夫
      弁護士 神原  元
      弁護士 福田 健治
      弁護士 上柳 敏郎
      弁護士 河健一郎
      弁護士 江口 智子
      弁護士 穂積 匡史
      弁護士 鈴木 麻子
      弁護士 阪田 勝彦
      弁護士 山下 瑞木
      弁護士 花澤 俊之
      弁護士 小松 圭介


       本件抗告の理由は、即時抗告申立書第3記載のほか、以下のとおりである。
      (なお、緑化道路は道路管理者が管理を行っている道路歩道部分であり、原審において申立人が「緑化道路」と呼称してきた箇所は、緑化道路と平行に設置されている園内の園路である(疎乙11)。本抗告理由書においては、緑化道路と平行に設置されている園内の園路を「本件園路」といい、健康広場、本件園路、霞門と本件園路をつなぐ通路のうち北西側(弁護士会館側)部分及び霞門北側を、「本件申請部分」という(別紙図面参照)。)

      第1 原決定の認定が客観的事実に基づかない抽象的なものであること

       原決定は、公園管理上の支障の認定に当たって、当該支障が「客観的事実に照らして具体的に明らかに予測されるかどうか」という観点から行われるべきであるとする(原決定9頁)。
       ところが、原決定が実際に認定した「支障」は、そのいずれもが、客観的事実に基づかない抽象的なものであると言わざるを得ない。例えば、原決定は、健康広場及び緑化道路(本件園路)について、収容能力・形態等から1万人を収容することはできないとするが(原決定10頁)、全く証拠上の根拠がない。また、11月11日午後1時から午後3時までの間、同時に開催される他のイベントの関係車両の頻繁な往来が具体的に見込まれるとするが(原決定11頁)、これも何ら証拠上の根拠がない。
       原決定の認定は、いずれも客観的な事実に基づかないものであり、その判示する「支障」は、いずれも抽象的きわまりなく、この点からだけでも、原決定は取消しを免れない。

      第2 公園管理上の支障が存在しないこと

       原決定は、本件申請に係る使用について、本件申請部分の収容能力を超えており、また公園管理上の支障が客観的事実に照らして具体的かつ明らかに予測されるとする。
       しかしながら、本件申請部分は、デモの出発地点として十分な収容能力を有しており、また本件使用により公園管理上の支障が生じることはなく、原決定の認定はいずれも誤っている。
       以下、本件申請に係る使用についての抗告人ら首都圏反原発連合の計画を明らかにした上で、収容能力が十分であること及び公園管理上の支障の不存在について主張する。

      1 本件申請に係る使用の態様
       本件申請に係る本件申請部分の使用は以下の通り行う予定である。
      ⑴ 本件行動への参加人数は1万人程度を予定している。これは、。祁遑横稿の行動には1万人を超える人が参加したが(疎乙12)、これと比較して、毎週金曜日午後6時から官邸前及び国会周辺で行われている官邸前抗議行動への参加者が、最盛期であった6月末から7月にかけての時期と比較して現在は若干減っていること、東京や首都圏での参加呼びかけの状況からの積み上げから見積もったものである。1万人程度となることは、警視庁との打ち合わせにおける警視庁との合意事項でもある。ただし、これは本件行動全体の参加人数であり、国会大包囲に直接向かう参加者もいることから、実際に日比谷公園からデモに出発する人数は、これより少ないものと考えられる。
      ⑵ 警視庁との打ち合わせ結果に基づき、日比谷公園の緑地道路を集合場所とする予定である(これは警視庁からの提案による。)。
      ⑶ 集合時間前後には、日比谷公園の公園四隅に面する各交差点及び日比谷公園の各出入り口にスタッフを配置し、日比谷公園内を通行するのではなく、日比谷公園外周の歩道を通って、健康広場と接する出入り口から日比谷公園に入るよう誘導する予定である。これにより、日比谷公園で開催される他のイベント参加者との干渉を避けることができる。
      ⑷ 午後1時から、デモ行進に当たっての注意事項をアナウンスした後、午後1時30分から午後3時にかけて、デモ行進の出発を行う。出発のルートであるが、健康広場から、緑化道路と平行する日比谷公園内の園路(本件園路)を通り、本件園路出口から霞門までの通路は、通路の北西側(弁護士会館側)部分の半分を通り、霞門の北側半分からデモに出発する。同通路及び霞門については、コーンやロープを利用してデモ隊の整理を行い、他の交通への干渉を防ぐ計画である。
      ⑸ 首都圏反原発連合では、これら誘導・整理を行うため、多数のスタッフを配置する予定である。日比谷公園に配置されるスタッフ数は、午後1時過ぎまでは150人程度であり、その後徐々に国会周辺にスタッフを移動するが、午後3時のデモ隊出発終了時刻でも10から20名程度のスタッフが日比谷公園の誘導・整理に当たる予定である。

      2 本件申請に係る使用が可能なスペースが存在していること
       原決定は、「1万人という参加予定人数を前提とすると」、霞門、健康広場及び緑化道路の「収容能力を超えていると言わざるを得ず」、審査基準の「当該公園に集会が可能な広場があること」に該当しないと認定する。(なお、この認定は、もっぱら「1万人を収容する場所がない」と判断した旨の前田氏の陳述書に基づくものであり(乙9)、何ら「客観的な事実」に基づく根拠に基づかないものであることを指摘しておく。)
       しかし、この認定は、.妊發僚佝地点としての使用の性質を見誤っており、健康広場及び緑化道路の収容能力について誤認したものであって、到底是認できない。実際の人の流れ並びにまた霞門、健康広場及び緑化道路の収容能力を検討すれば、本件申請に係る使用を収容することが可能であることは明らかである。
       第一に、本件申請にかかる使用は、デモの出発地点とすることを目的とするものであって、本件申請部分で集会を行うものではない。集会とは異なり、デモの出発地点には、全ての参加者が一同に集うことはない。前記の通り、1万人の参加者全員が日比谷公園から出発するわけではない。また、参加者は、デモの出発に時間がかかることを見越して、集合時間後に出発場所に来る場合も多く、午後1時に1万人全員が健康広場に集合することはあり得ない。さらに、午後1時30分からは、デモ隊が出発するため、その分だけ健康広場のスペースには余裕ができることになる。原決定は、このような動きのあるデモの出発地点としての使用の性質を無視し、あたかも1万人の参加者全員が本件申請部分を使用するかの如く説示するが、明らかに事実に反する。一度に本件申請部分を使用する人数は、5000人から6000人程度が上限であると考えられる。
       第二に、本件申請部分は、上記デモの出発地点として十分な収容能力を有している。健康広場は約2500平方メートルの面積を有しており、1平方メートルあたり2名を収容可能であるとすれば、健康広場だけで5000人を収容することができる。これに、健康広場周辺及び本件園路から霞門周辺までのスペースを加えれば、7000人を収容することは十分可能である。
       したがって、本件申請部分が、デモの出発場所としての使用のために十分な収容能力を有しており、原決定は事実認定を誤ったものである。

      3 他の使用との競合による支障が生じないこと
      ⑴ 原決定が指摘する具体的危険性が存在しないこと
       原決定は、本件申請に係る申請により、客観的事実に照らして公園管理上の支障が具体的かつ明らかに予測される認定するが、いずれも何ら事実的裏付けのない抽象的な「支障」に過ぎない。
      ア 関係車両の「頻繁な」往来は見込まれないこと
       原決定は、11月11日午後1時から3時まで、実りのフェスティバルや菊花大会などのイベントが開催されているため、関係車両の頻繁な往来が具体的に見込まれるとする。
       しかし、原審申立人主張書面(2)9−10頁で主張したとおり、園内の他のイベントの関係車両の通行は見込まれない。すなわち、実りのフェスティバルは、終了時刻が同日午後4時であり(甲18)、搬出作業は午後4時30分から開始されるというのであるから(疎乙12)、午後3時までの間に関係車両が通行することは見込まれない。また、菊花大会は、同月1日から23日まで開催され、大規模な展示物を固定して展示する行事であるから、同月11日に関係車両が通行することは見込まれない。したがって、原決定の事実認定は明らかに誤りである。
      イ 各イベントへの来客者の往来との調整は十分可能であること
       原決定は、上記各イベントが開催されているため、相当多数の集客が見込まれるという。
       しかし、これらイベントへの来客者と本件申請に係る使用との間では、十分な調整が可能である。まず、そもそも本件申請部分は、他のイベントの開催場所とは重ならず、場所の利用が直接的に競合することはない。また、首都圏反原発連合は、上記の通り、デモの参加者に対して、日比谷公園の四隅及び各出入り口において、日比谷公園の外周歩道を使って健康広場と接続する出入り口から日比谷公園に入るよう誘導する予定であり、デモの参加者と他のイベントの来客者が干渉することもない。また、他のイベントへの来客者の動線と本件行動の動線が重なり合う、本件園路出口から霞門までの通路部分及び霞門においては、その半分のみをデモの出発のために利用する予定となっており、通常の往来との間にはコーンやロープによる物理的な仕切りを設け、誘導のためのスタッフを配置することにより、両者間の干渉を防ぐことができる。
       したがって、本件申請に係る使用と、他のイベントへの来客者の往来との間は十分な調整が可能であって、公園管理上の支障が生じるとは言えない。
      ウ 霞門や周辺園路への参加者の殺到、霞門の閉塞ないし交通事故は生じないこと
       原決定は、本件申請に係る使用により、霞門やその周辺の園路に本件デモの参加者が殺到して雑踏が生じ、最悪の場合は本件申請部分が閉塞し、関係車両との交通事故が生じる具体的危険性が認められると認定する。
       しかし、健康広場への集合にあたっては日比谷公園の外周歩道を利用するよう誘導すること、本件園路出口から霞門までの通路部分及び霞門においては交通整理を行うこと等は上記の通りであり、霞門やその周辺に本件行動への参加者が殺到し本件申請部分が閉塞することはあり得ない。また、原決定は晴海通り道路の往来に言及するが、日比谷公園の晴海通り側には比較的広く人通りの少ない歩道が設けられており、万が一本件申請部分から人があふれたとしても、十分な緩衝地帯が存在している。
      したがって、本件申請に係る使用によって、霞門周辺への参加者の殺到、霞門の閉塞ないし交通事故などの公園管理上の支障が生じるとは言えない。原決定の認定は著しく抽象的であり、具体的事実に基づかないものである。
      ⑵ 7月29日のデモについて
       原決定は、疎乙第12号証を根拠に、7月29日のデモにおいて、日比谷図書文化館の入り口付近で同館利用者や公園の一般利用者の通行が阻害されるなどの混乱が生じたとする。
       しかし、。祁遑横稿の使用場所(原審申立人主張書面(3)別紙図面2)と異なり、本件申請部分は、周囲に一般市民が使用する施設はなく、他のスペースとの干渉の少ない場所であって、上記同様の支障が生じることは考えられない。また、⊂綉の通り、本件行動への参加人数は、7月29日の参加人数よりも少なくなることが予想される。さらに、7月29日は、日比谷公園内において演壇を設けスピーチを行った一方、本件行動においては、上記の通り、デモの注意事項をアナウンスするほかは日比谷公園内での集会は予定していないこと、ぃ祁遑横稿当時は関西電力大飯原発の再稼働を受け反原発運動が最高潮に達していた時期であったところ、その後首都圏反原発連合では警視庁との連絡・連携が進み、官邸前行動においてもスムーズな誘導が実現していること等に照らせば、7月29日と同様の事態が生じることはあり得ない。

      第3 償うことのできない損害を避けるための緊急の必要性があること

       原審で主張した「償うことのできない損害を避けるための緊急の必要性」につき、簡潔に補足する。

      1 すでに主張したとおり、本件行動の中心たるデモ行進を行うためには、警視庁の取扱い上、出発地点となるスペースを確保することがその前提となる。すなわち、抗告人ら首都圏反原発連合が、一般市民に呼びかけ、反原発の意思表示をするためには、本件申請が許可されることが不可欠である。

      2 日比谷公園は、霞ヶ関の官庁街の入り口に位置し、永田町の首相官邸や国会議事堂及び国会議員会館にも至近の距離にある。ほかに、霞ヶ関及び永田町周辺には、大規模なデモのための集合場所となり得る公共の空地は存在しない。かかる意義を有する日比谷公園の使用不許可は、憲法が保障する政治的表現の自由・集会の自由に対する重大な制約となる。

      3 抗告人ら首都圏反原発連合には、本件行動を、11月11日に実施する必要性が存在する。すなわち、‥豕電力福島第一原発事故が発生したのは2011年3月11日であり、毎月「11日」は反原発を訴え上で象徴的意義を有している。現在、臨時国会が開会中であり、反原発の国民の声を国会に届けるためには、開会中に本件行動を行う必要がある。11月11日には日曜日である。前後の月に土曜日・日曜日と重なる11日は存在しない。

      4 本件行動は首都圏反原発連合のみで実施できるわけではない。デモの申請を警視庁に行い、本件行動への参加を呼びかけ、誘導・警備体制等を確定させるなどの多数の準備を考慮すれば、本件仮の義務付けに対する結論を、11月5日までに得る必要がある。

      以上
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        11/2仮の義務付けの申立てに対する却下決定

        • 2012.11.03 Saturday
        • 10:00
         東京地方裁判所民事第2部(裁判長裁判官川神裕、裁判官佐野義孝、裁判官菅野昌彦)は仮の義務付けの申立てを却下しました。弁護団は同日付で即時抗告を行い、即時抗告審が東京高等裁判所第7民事部に係属中です。


        *****


        平成24年(行ク)第395号仮の義務付けの申立事件
        (本案平成24年(行ウ)第754号日比谷公園霞門一時的使用許可義務付け誇求事件)

        決 定

        申立人 小泉 岳義
        同代理人弁護士  別紙1代理人目録記載のとおり
        同復代理人弁護士 別紙1代理人目録記載のとおり

        東京都新宿区西新宿2丁目8番1号
        相手方 東京都
        同代表者知事代理副知事 猪瀬 直樹
        処分行政庁 東京都東部公園緑地事務所長
        同指定代理人 北原 恒一
               江村 利明
               直井 春夫
               村木 健司

         上記当事者間の仮の義務付けの申立事件について,当裁判所は,相手方の意見を聴いた上,次のとおり決定する。

        主 文
        1 本件申立てを却下する。
        2 申立費用は申立人の負担とする。

        理 由
        第1 申立て

         処分行政庁は,申立人に対し,申立人が平成24年10月26日にした,同年11月11日の集団示威運動(デモ)出発のための日比谷公園霞円周辺の一時的使用申請について,これを仮に許可せよ。

        第2 事案の概要

         本件は,申立人が,処分行政庁に対し,東京都立公園条例(昭和31年東京都条例第107号。以下「公園条例」という。)13条1項に基づき,東京都が設置する都市公園である日比谷公園(以下「本件公園」という。)内の霞門とその周辺(以下「本件申請部分」という。)の一時的使用の許可申請(以下「本件申請」という。)をしたところ,処分行政庁から,これを許可しない旨の処分(以下「本件処分」という。)を受けたため,本件処分は,本件申請に係る午後1時から午後3時までの間,本件申請部分を申立人らが計画している集団示威運動としてのデモ行進(以下「本件デモJという。)の集合場所・出発地点とすること
        に特段の支障がないなど,正当な理由がないにもかかわらずされたものであり,集会の自由及び表現の自由を不当に制約することになり違憲・違法で、あるなどと主張して,本件処分の取消しを求めるとともに,本件申請部分の一時的使用の許可(以下「本件許可」という。)の義務付けを求める訴え(当庁平成24年(行ウ)第754号。以下,この義務付けを求める訴えを「本件義務付けの訴え」という。なお,後記第3の1(4)参照)を提起した上,本件許可がされなければ,本件デモの集合場所・出発地点の確保ができず,表現の自由の行使の機会が失われるなど申立人に償うことのできない損害が生じ,この損害を避けるためには本件デモの集団示威運動許可申請等の準備の都合上,本件デモ実施予定日の1週間程
        度前までには本件許可を受けなければならない緊急の必要があり,公共の福祉に重大な損害を及ぼすおそれがあるときにも当たらない旨主張して,行政事件訴訟法37条の5第1項に基づき,仮に処分行政庁が本件許可をすべき旨を命ずることを求める事案である。
         申立人の主張は,別紙2のとおりであり,相手方の主張は,別紙3のとおりである。

        第3 当裁判所の判断

        1 疎明事実
         一件記録によれば,以下の各事実が一応認められる。
        (1) 当事者等
        ア 申立人は,平成23年9月に成立し,数次にわたり,原子力発電所の再稼働等の反対を政府等に訴える集団行進又は集団示威運動を主催してきた首都圏反原発連合(首都圏でデモ等を主催している個人・集団の連絡組織。以下「本件連合」という。)に所属しており,本件デモの主催者となったと主張している者である。(疎甲2,3)
         本件連合は,(神24年3月11日には「3.11東京大行進一追悼と脱原発への誓いを新たに一」との名称で,同年7月29日には「7.29脱原発国会大包囲」との名称で,それぞれ大規模なデモを主催し,実行した(申立人は,,砲弔約1万4000人,△砲弔延べ約20万人が参加したと主張・供述している。疎甲2)。
         なお,本件連合の代表者は,,砲弔い董て比谷公園サービスセンタ一長(以下「本件センター長」という。)に対し,本件公園の中幸門につき一時使用したい旨の公園地一時使用届出書を提出し,同年2月28日,東京都公安委員会に対し,参加予定人数を1000人,集合場所を本件公園中幸門とするなどと記載した集団示威運動許可申請書を提出し,同年3月9日,一定の条件が付されてはいるものの,東京都公安委員会から集団示威運動の許可を受け,△砲弔い董て映4月23日,本件センター長に対し,参加人数約1000人でデモ行進出発のため,同年7月29日午後3時から午後3時30分までの間,本件公園の中幸門につき一時使用したい旨の公園地一時使用届出書を提出するとともに,同月23日,東京都公安委員会に対し,参加予定人数を1万人,集合場所を本件公園中幸門とするなどと記載した集団示威運動許可申請書を提出し,同月27日,一定の条件が付されてはいるものの,東京都公安委員会から集団示威運動の許可を受けた。(疎甲2ないし疎甲8の2)
        イ 処分行政庁は,東京都公園緑地事務所長委任規則(昭和47年東京都規則第171号)2項(3)号,東京都組織規程(昭和27年東京都規則第164号)別表三の8(3)に基づき,本件公園につき,東京都知事から公園条例13条所定の物件を設けない都市公園の占用許可権限の委任を受けている。
        ウ 公益財団法人東京都公園協会は,平成21年4月1日に東京都から地方自治法244条の2に基づく指定を受け,本件公園内に日比谷公園サーピスセンター(以下「本件センター」という。)を設置して,本件公園の管理を行っている。(疎乙9)
        (2) 本件処分に至る経緯
        ア 本件連合は,平成24年8月頃から,同年11月11日に「11.11反原発100万人大占拠」との名称の大規模なデモ行進(本件デモ)を計画しており,申立人は,同年10月26日付けで,処分行政庁に対し,「目的及び種別」につき「集会(デモ出発のための一時使用。集合状況をみつつ順次デモ出発)」,「承認希望日時」につき同年11月11日午後1時から午後3時,「使用希望施設」につき本件申請部分(その範囲につき,争いがある。), 「参加人員の詳細」につき予定人数1万人などと記載した,使用承認申請書を提出して本件申請をした。(疎甲1)
         なお,申立人は,本件連合に所属する者が,平成24年9月6日,本件センターの職員に,本件申請部分を本件デモの集合場所・出発地点として使用の可否の打診をしたところ,上記職員から,公園地一時使用届出書の新規受付はできないとの対応をされその後この対応に変更が見られなかったことから,本件申請をしたと主張している。(疎甲2)
         また,本件申請部分の範囲について,申立人は別紙2の平成24年11月2日付け主張書面(3)に記載された部分であると主張しているが,相手方は別紙4のド分であると理解している。(疎乙11)
        イ これに対し,処分行政庁は,平成24年10月31日付けで,本件申請につき,公園管理上の支障となるため許可しない旨の本件処分(24東公管第971号)をした。(疎甲13,疎乙1)
        (3) 本件公園の現況及び使用状況等
        ア 本件公園には,圏内に日比谷公会堂(収容人員2074名)及び大音楽堂(収容人員3114名)の2か所の集会施設が設置されているほか,第一花壇,第二花壇,小音楽堂,大噴水等からなる園地,周辺道路に面した各門と園地・圏内各施設への往来のための動線である園路が設置されており,本件申請部分である霞門は園路から圏外に通じる部分にある(別紙4参照)。(甲19)
         霞門は,白山祝田橋通り道路や東京地下鉄株式会社の地下鉄丸の内線霞ヶ関駅地上出口に面している。
        イ 本件公園の平成24年11月11日の使用状況は以下のとおりである。
        (ア) 日比谷公会堂及び大音楽堂
         両施設ともに別件の集会のため, 終日使用の予約がされている(別紙4のゝ擇哭∋仮函法(疎乙9,10)
        (イ) 別紙4のの園地部分
         農林水産省及び財団法人日本農林漁業振興会主催の「第51回農林水産祭実りのフェスティパル」との名称の催事と第3回ファーマーズ&キッズフェスタ実行委員会主催の「第3回ファーマーズ&キッズフェスタ2012」との名称の催事(以下「本件催事1」という。)が,午前10時から午後4時までの日程で併催される予定である。
         本件催事1では,農機具や生産品の展示をする出展だけにとどまらず,飲食物を提供する出展や農林水産物の展示即売,乗馬体験等も予定されている。(以上につき,疎甲17,18,疎乙9)
        (ウ) 別紙4のい留狠鷲分
         日比谷公園菊花連盟,東京都及び千代田区主催の「平成24年度東京都観光菊花大会」との名称の催事(以下「本件催事2」という。)が,平成24年11月1日から同月23日までの午前10時から午後4時の日程で開催される。
         本件催事2では, 菊花約2000点を展示して一般客の観賞に供し,菊花の百の販売も行われる。(以上につき,疎甲20,疎乙9)
        (4) 本件申立て及び本訴の提起
         申立人は,平成24年10月30日,本案訴訟を提起し,本件申立てをした(なお,申立人は,本案訴訟の訴状において,主位的請求として,処分行政庁が本件申請についての処分を相当期間内にしなかった不作為の違法確認の訴えと申請型義務付けの訴えとしての一時的使用を許可する処分の義務付けの訴えとを併合提起し,予備的請求として,非申請型義務付けの訴えとしての一時的使用を許可する処分の義務付けの訴え(非申請型義務付けの訴え)を提起していたが,その後,本件処分がされたため,主位的請求に係る不作為の違法確認の訴えを本件処分の取消しを求める訴えと交換的に変更する旨の訴えの変更の申立て(行政事件訴訟法7条, 民事訴訟法143条1項) をし, 予備的請求を取り下げた。)。

        2 本件義務付けの訴えにつき「本案について理由があるとみえるとき」に当たるか否かについて
        (1) 行政事件訴訟法は,執行停止においては,積極要件として「重大な損害を避けるため緊急の必要があるときJ (25条2項)との要件を,消極要件(執行停止が否定される要件)として「本案について理由がないとみえるとき」(同条4項)との要件を定めているのに対し,仮の義務付け及び仮の差止めにおいては,積極要件につき「重大な損害」に代えて「償うことのできない損害」を規定するとともに,「本案について理由があるとみえるとき」をも積極要件とし(37条の5第1項,2項) ,執行停止よりも厳格な要件を定めている。このように,仮の救済の制度の中でも,仮の義務付け又は仮の差止めにつき,より厳格な要件が定められているのは,これらが,実質的には本案訴訟の裁判と同様の内容を仮の裁判で実現するものであることによると解される。
         そうすると,行政事件訴訟法37条の5第1項の「本案について理由があるとみえるとき」の要件が認められるためには,仮の義務付けの裁判の時点において,本案について理由が多少なりとも存する可能性があるといった程度では足りず,積極的に,本案について理由があると認め得る蓋然性があることが必要であるものと解される。
         以上の観点から,本件義務付けの訴えについてr本案について理由があるとみえるとき」に該当するか,以下検討する。
        (2) 本件公園は,都市公園法及び公園条例に基づき相手方が設置している都市公園であり,一般公衆の使用に供するための公共施設(公共用物)であって(都市公園法1条,公園条例1条,なお,地方自治法244条参照),本来,公衆は,他人の共同使用を妨げない限度で,その用法に従い,許可等を要せず,例えば散歩等に自由に使用することができる(このような使用を一般使用ないし自由使用という。)。
         しかし,公共用物の使用であっても,基本的にはこの自由使用の範障害に属するが,その範囲を超えて他人の共同使用を妨げたり,公共用物の管理に支障を及ぼしたりするおそれや,公共の秩序維持に支障を生じさせるおそれがある使用がされる場合には,公共の秩序維持に対する支障を未然に防止し,又はその使用関係を調整し,公共用物の管理に支障を及ぼすことを防止する必要があることから,そのような使用を一般的に禁止,制限した上で,特定の場合に申請に基づく許可によって禁止を解除してその使用を許すこととされ(このような使用を許可使用という。),さらに,公共用物の本来の用法を超え,特定人に特別の使用権を設定する場合には,いわゆる特許としての許可が必要とされることになる(このような使用を特許使用という。)。都市公園法6条1項は,公園施設以外の工作物その他物件又は施設を設けて都市公園を占用しようとするときは,公園管理者の許可を受けなければならないとしているが,これは後者の特許使用の許可に当たる。これに対し,都市公園法18条を受けて定められた公園条例13条1項は,物件を設けないで都市公園を占用しようとする者は,東京都規則の定めるところにより申請し,知事の許可を受けなければならないと定めているが,物件を設けない占用については,その占用使用が自由使用の範需に属する許可使用であるのか,自由使用としては許されない特許使用であるのかの判定は必ずしも一義的に明らかとはいえない。公園条例及び東京都立公園条例施行規則(昭和32年東京都規則37号)は,物件を設けないで都市公園を占用する場合については,具体的な許可基準を特に定めていないが,これもその占用の態様によっていずれの性格を有する場合もあり得るためと解することができる。
         本件では,集会のための使用が問題となっているところ,このような使用は公園の本来の用法の範囲内のものということができるから,そのための占用許可は許可使用に対する許可と解され,使用関係の調整,公園の管理に支障を及ぼすことの防止又は公共の秩序維持に支障が生ずることの防止の観点から許否が判断されるものというべきである。
         そして,使用関係の調整又は公園の管理に支障を及ぼすことの防止の観点からの許否の判断については,集会の用に供される本件公園の管理者において,本件公園の公園としての性格に応じ,また,その規模,構造,設備等を勘案し,公園としての使命を十分達成せしめるよう適正にその管理権を行使すべきところ,これらの点からみて使用を不相当とする事由が認められるか否か,これが認められない場合には,使用の希望が競合するなど使用関係の調整の必要があるか否かを具体的に検討すべきである。
         本件公園は,地方自治法244条にいう「公の施設」であり,相手方は,正当な理由がない限り,住民がこれを利用することを拒んではならず(同条2項) ,住民の利用について不当な差別的取扱いをしてはならない(同条3項)。また,集会を目的とする利用を公園管理者が正当な理由もないのに拒否するときは,憲法の保障する集会の自由の不当な制限につながるおそれがあるから,公園の管理に支障を及ぼすか否かの判断は,公園管理者の自由裁量に属するものではなく,客観的事実に照らして具体的に明らかに予測されるかどうかという観点から行われるべきである。
         東京都建設局長は,公園条例に基づく許可の審査基準を定めており,そのうちの13条1項の物件を設けない占用の許可の審査基準の中で,集会のための公園地の占用の許可申請があった場合の審査基準として, 崚該公園に集会が可能な広場があること」,◆崕顕颪,公園管理上及び公園周辺に特に支障を与えるおそれがある場合は許可しないことができる。」と定めているが(疎乙7),これらの審査基準は,集会の自由が憲法上の重要な基本的人権であることなどを踏まえつつ,前者については,物理的な可能性や使用関係が競合する場合の調整の面から利用可能であることを要求しているものであり,後者については,公園内で集会が開催されることによって,上記のような観点からみて公園管理上の支障が生ずる場合や公園周辺で人の生命,身体又は財産など基本的人権が侵害され,公共の福祉が損なわれるという具体的危険が生じる蓋然性がある場合には許可をしないことができるとしているものと解することができ,このような解釈を前提とすれば,上記審査基準に基づいて許否の判断をしても憲法21条に違反するものではないと解される(申立人は,最高裁平成元年(オ)第762号同7年3月7日第三小法廷判決・民集49巻3号687頁等を本件の参照判例として挙げ,集会の自由の制約は,人の生命,身体又は財産など基本的人権が侵害され,公共の福祉が損なわれるという明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見できる場合に限られると主張するが,これらの事案は,当該集会を開催している公共施設で利用関係の競合がなく,当該利用者の対立グループが存在する以外に当該公共施設の管理に支障を及ぼす事情もない中,当該利用者の集会の自由を制約し得るかが問題となったものであり,本件公園内の大部分につき利用を予定している者が既に存在している本件とは前提を異にするものといわざるを得ない(もとより,集会の自由が重要な基本的人権であることに鑑みて,慎重・厳格な審査をすべきであるとの点について異論を差し挟むものではない。)
        (3) そこで,以上の観点から本件をみるに,本件申請に係る日時においては,本件公園内の各施設は,全てその使用が予約されているところ,申立人が指摘する健康広場及び緑化道路については,収容能力,形態等からして,そもそも本件申請部分に含まれていたとは直ちには理解し難いところ,この点をおくとしても1万人という参加予定人数を前提とするとその収容能力を超えているといわざるを得ず,上記審査基準,望箸蕕掘に楫鏝園に本件デモ
        出発のための集会が可能な広場は認められない。
         次に,本件申請に係る午後1時から午後3時の時間帯を含めて,本件公圏内の日比谷公会堂や大音楽堂は,別の集会において利用予定であること,比較的広大な別紙4のの園地で本件催事1が,別紙4のい留狠呂任睨楫鏈纏2がそれぞれ開催される予定であることがそれぞれ認められるところ,これらの園地内の催事は,菊花の展示・鑑賞,農機具や生産品の展示をする出展だけにとどまらず,飲食物を提供する出展や農林水産物の展示即売,乗馬体験をすることも予定している大規模なものであって,本件申請に係る午後1時から午後3時の時間帯には,一般の公園利用者に加えて上記催事を目的とした相当多数の集客や関係車両の頻繁な往来が具体的に見込まれ,本件公圏内の園路上はもとより,周辺道路や地下鉄駅の地上出口と本件公園の間の円滑な往来を十分に確保する高度の必要性が認められる。
         他方,申立人は,本件デモの参加予定人数を1万人として本件申請をし(なお,甲10では100万人で国会議事堂等を包囲するとされている。) ,正確な参加人数は不明であるものの,これまで2回にわたり,数千人から数万人規模のデモを主催してきたことからすると,本件デモについても,少なくとも数千人以上は本件申請部分を集合場所として集合し,霞門やその付近の園路に本件デモの参加者が殺到して雑踏が生じ,最悪の場合は本件申請部分が閉塞される具体的危険性も認められる上,その使用場所の北端付近には,別紙4のイ里箸り,休日においても往来の多い晴海通り道路に面した桜門や祝田門が位置しており,上述のとおり本件公圏内に生じた雑踏により,円滑な園路通行を阻害することになり,最悪の事態として,園路上において関係車両との交通事故が生じる具体的危険性も認められる(なお,別紙4の図面上,霞門付近の園路にはパイパスとなる園路も認められるが,これらは狭溢であって1万人以上の規模の本件デモ参加者や利用者の円滑な往来を保障するに足るものとは認め難い。また,仮に申立人が主張するように本件申請部分付近が閑散としていたとしても,別紙4にあるように,園路は,本件公園の各門とつながっているから1か所でも雑踏を生じさせれば,上記説示の具体的危険性が見込まれるといわざるを得ない。)。
         そうすると,参加予定人数を1万人とし,本件申請部分を使用場所として,本件デモの集合場所・出発地点として使用する本件申請については,客観的事実に照らして公園管理上の支障が具体的かつ明らかに予測されるというべきであり,上記審査基準△砲盂催するものというべきである(なお,申立人は,これまでのデモで本件公園の別の門を集合場所・出発地点とした際には,混乱等がみられなかった旨を主張するが(疎甲21の1・2),疎乙12によれば,平成24年7月29日に行われたデモの際には,警察官も本件公圏西幸門付近で,デモの警備を行っていたものの,西幸門付近の千代田区立日比谷図書文化館の入口付近で同館利用者や公園の一般利用者の通行が阻害されるなど混乱が生じたとされている上,参加予定人数を1000人から1万人程度と見込んでいた従前のデモと当初から1万人以上を参加予定人数と見込んでいる本件デモとでは,上記危険の程度は異なるというべきであるし(当日の本件公圏内の他の催事の規模によっても異なり得る。),本件申請の際に,「集合状況をみつつ順次デモ出発」,「車両・一般人の通行確保等のため,警察とも協議し要員配置」とある程度で,具体的な警備態勢も明らかでなく,混乱等を防止する具体的な態勢も整備されているとは認められない中では,上記具体的危険が解消されると認めるには至らないから,上記申立人の主張は理由がなく,採用することができない。また,申立人は,本件申請部分の範囲は別紙4のド分とは異なるとも主張しているが,疎乙9,11によれば,申立人において,本件申請の際に,処分行政庁に対して,図面等をもって本件申請部分を申立人主張に係る部分と特定する説明をした形跡は特に認められないし,参加予定人数と本件公圏内の施設の収容能力,形態等から,使用承認申請書にいう「日比谷公園霞門とその周辺」から想定される本件申請部分を別紙4のイ里箸りと判断したとしても,決して不合理とはいえない。仮に本件申請部分が申立人の主張のとおりであったとしても霞門付近の園路や祝田門付近の園路や広場を使用するものであり,上記説示の園路と各門の経路に鑑みれば,霞門付近1か所でも雑踏が生じた場合,上記具体的危険性が見込まれるとの認定を覆すに至るものとはいえない。)。
         以上からすると,本件申請につき公園管理上の支障があるため許可しないとした本件処分は適法ということができ,これが取り消されるべきものであること(本件義務付けの訴えの訴訟要件(行政事件訴訟法37条の3第1項2号))については疎明がされていないといわざるを得ず,本件義務付けの訴えにつき,行政事件訴訟法37条の5第1項の「本案について理由があると認めるとき」の要件は満たさないこととなる。

        第4 結論
         よって,その余の点(行政事件訴訟法37条の3第1項所定の本件許可がされないことにより生ずる「償うことのできない損害を避けるため緊急の必要」があるか否か,同条第3項所定の公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがある場合か否か。)について判断するまでもなく,本件申立ては仮の義務付けの要件を欠くから,これを却下することとし,主文のとおり決定する。

        平成24年11月2日

        東京地方裁判所民事第2部
        裁判長裁判官 川神 裕
           裁判官 佐野 義孝
           裁判官 菅野 昌彦

        (別紙1)
        代理人目録

        小島延夫 河崎健一郎 穂積匡史 山下瑞木
        福田健治 江口智子  鈴木麻子 花澤俊之
        上柳敏郎 神原 元  阪田勝彦 小松圭介
        ※ ただし,花津俊之及び小松圭介は申立人復代理人である。

        以上

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          日比谷公園の使用許可を求める訴訟の提起について

          • 2012.11.03 Saturday
          • 09:58
           首都圏反原発連合は、来る11月11日(日)に首相官邸前、国会議事堂周辺をはじめとする永田町・霞が関一帯で、超大規模な抗議行動を計画し、日比谷公園を集合地点とするデモ行進を予定しています(「11.11反原発1000000人大占拠」)。しかし、日比谷公園を管理する東京都は、首都圏反原発連合による公園の使用許可申請を却下しました。このままでは、11月11日に日比谷公園を集合地点とするデモ行進ができません。なお、3月11日「3.11東京大行進」、7月29日「7.29脱原発国会大包囲」のために首都圏反原発連合が同様の申請を行った際には、東京都は公園の使用を許可しています。
           デモ行進のための公園の使用を許可しないことは、市民の表現の自由を侵害する違憲・違法なものです。私たち見守り弁護団有志は、首都圏反原発連合の依頼を受け、公園の使用を許可するよう、10月30日東京都を相手に訴訟(公園使用許可申請に対する却下処分の取消訴訟、公園使用許可の仮の義務付け訴訟)を提起しました。

          本件に関する連絡先
          東京都千代田区神田神保町2-3-1岩波書店アネックス7階
          東京駿河台法律事務所 Tel: 03-3234-9133 / Fax: 03-3234-9134
          弁護士 小島 延夫(東京弁護士会所属)
           同  福田 健治(第二東京弁護士会所属)

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            10/30仮の義務付け申立書(前半)

            • 2012.11.03 Saturday
            • 09:57
            仮の義務付け申立書
            2012年10月30日
            東京地方裁判所 民事部 御中
            申立人代理人      
            弁護士 小島 延夫
            弁護士 神原  元
            弁護士 福田 健治
            弁護士 上柳 敏郎
            弁護士 河健一郎
            弁護士 江口 智子
            弁護士 穂積 匡史
            弁護士 鈴木 麻子
            弁護士 阪田 勝彦
            弁護士 山下 瑞木

            当事者の表示 別紙当事者目録記載の通り

            日比谷公園霞門一時的使用許可仮の義務付け申立事件
            貼用印紙額      2000円

            申立の趣旨

            1 処分行政庁は、申立人に対し、申立人が2012年10月26日にした、2012年11月11日のデモ出発のための日比谷公園霞門周辺の一時的使用申請について、これを仮に許可せよ
            2 申立費用は相手方の負担とする
            との決定を求める。

            申立の理由

            第1 関係当事者
             
            1 首都圏反原発連合
             首都圏反原発連合(Metropolitan Coalition Against Nukes)は、首都圏でデモなどを主催しているグループや個人が力を合わせようと、2011年9月に立ち上がったネットワーク(連絡網)である。
             最初の取り組みとして,同年10月22日にアメリカの「反核連合」の集会と連帯して「Rally for a Nuke-Free World in JAPAN」(集会&デモ)を開催した。2012年1月14日には、パシフィコ横浜で開催された「脱原発世界会議2012YOKOHAMA」に連動したデモ「脱原発世界大行進in横浜」を行った。同デモには、約4500名が参加した。
             そして、東日本大震災から一年となった、2012年3月11日には、「3.11東京大行進―追悼と脱原発への誓いを新たに―」を主催し、大規模なデモを行い、国会議事堂を追悼と抗議のキャンドルで包囲するアクションを、主催の「3.11再稼働反対!全国アクション」と協力実施し、約1万4000名が参加した。
             さらに、2012年7月29日には、3月11日と同様にデモと国会議事堂を包囲するアクション「7.29脱原発国会大包囲」を開催し、延べ約20万人が参加した。
             一方、これらの活動と並行して、首都圏反原発連合は、2012年3月から毎週金曜日午後6時から8時の間、首相官邸前及びその周辺にて、関西電力大飯原子力発電所の再稼働反対を訴える「首相官邸前抗議行動」を主催してきた。同抗議行動の参加者は、3月から6月までは300人から1000人程度であったが、野田首相が再稼働の方針を決めた同年6月16日前後からは急増し、1万2000人→4万5000人→20万人となり、その後も数万人が再稼働反対を訴え参加し続けている。
             このように、首都圏反原発連合は、首相官邸前抗議を含め、国内外の様々なグループや個人と連帯し、脱原発を目指した活動を実施してきた。

            2 申立人
             申立人は、首都圏反原発連合にその結成の当初から参加してきた者であり、法人格をもたない首都圏反原発連合の一員として、後述する2012年11月11日の行動の主催者となった者である。

            3 相手方
             東京都は、都市公園法に基づく都市公園である日比谷公園を設置し(都市公園法2条の2)、現在も管理する者である(同法2条の3)。処分行政庁である東京都知事は、同公園の使用許可にかかる権限を有している(東京都立公園条例13条1項)。

            第2 本件申立てに至る経過

            1 首都圏反原発連合によるデモ行進の際の、集合場所・出発地点としての日比谷公園の利用
             首都圏反原発連合は、2012年3月11日と同年7月29日の2回、日比谷公園を集合場所・出発点として使用し、デモ行進を主催した。
             2012年3月11日のデモ行進の際には、前記のとおり「3.11東京大行進―追悼と脱原発への誓いを新たに」として、今回の申請と同様、日比谷公園を集合場所・出発点とした。その際は、内幸町、日航ホテル前、数寄屋橋、日比谷等をデモ行進した。参加者数は7000人(警察発表)であった。
             同年7月29日のデモ行進の際には、前記のとおり「7.29脱原発国会大包囲」として、今回の申請と同様、日比谷公園を集合場所・出発点とした。その際は、内幸町、外堀通りを経て再び日比谷公園に戻るルートをデモ行進した。参加者は約2万7000人程度(警察発表)であった。
             いずれのときも、日比谷公園を管理する、日比谷公園サービスセンターに対し、「公園地一時使用届出書」を提出し、使用が認められた。ちなみに、いずれのときも、大音楽堂(日比谷野外音楽堂)・公会堂は使用していない。

            2 2012年11月11日の利用内容と今回の東京都の対応 ― 東京都の突然かつ理由のない取扱いの変更
             首都圏反原発連合は、2012年8月、同年11月11日に「11.11反原発100万人大占拠」(以下「本件行動」という。)を実施することを計画し、その際に日比谷公園から国会周辺までデモ行進をすることを企画した。
             従前の例から、今回も、「公園地一時使用届出書」を出すことで、デモ行進の集合・出発地としての日比谷公園の使用は認められるはずであった。
             そうした中、2012年9月6日午後1時半頃、首都圏反原発連合のメンバーの1人が、日比谷公園サービスセンターに赴き、公園の使用について相談したところ、応対に出た同センターの職員は、「今はデモ等の一時使用の受付はやっていない。8月に東京都からやるなと言われた」と言って、申請を受け付けない旨を伝えてきた。
             その後、「原発をなくす全国連絡会」の労働組合(全労連)が公園の使用許可のために動き折衝をおこなったが、そのときから担当となった東京都建設局東部公園緑地事務所(担当者:前田係長)」は、「いろいろ圧力がある。一時使用届出書は本来、規定にないもので、やり方を変更するなら周知期間等も取るべきとの意見もあったが、新規受付から即廃止した」として、使用を肯んじえなかった。
             その後は都議など各方面からにも動いてもらっていたが、公園側は、改めて拒否を回答してきた。このとき、受け付けない理由は、「もう我々のレベルの話ではない。本庁で決まった」「デモは公会堂や音楽堂を使用している場合に限る」「公会堂や音楽堂などが埋まっており、人や搬入車の出入り等もあるので難しい」というものだった。
             そして、最終的に、10月22日、首都圏反原発連合のメンバーが公園事務所に行って話をした際、事務所の担当者は、「意思は変わらない」として利用を拒否する意思を明らかにした。

            3 本件行動とデモ行進の出発点としての、日比谷公園の使用の意味
             首都圏反原発連合にとって、本件行動は、新たに招集される国会の会期が始まり、福島事故の記憶が薄れがちな中、改めて国会議員と政府に全原発の即時廃止を訴える重要なイベントという位置づけであり、官邸と国会及びその周辺に多くの人々を集めることは世論の可視化という点で重要である。
             そして、国会周辺に多くの人々を安全に誘導していくためには、最寄りの日比谷公園を集合・出発点として、デモ行進で通行することが最も適切な方法であり、その点では、警視庁の警備担当者と首都圏反原発連合との間での意見は一致している。
             また、国会周辺には他に1000人以上の人が集まれる場所はない。
             仮に、日比谷公園を集合場所として利用できない場合には、不規則な大量の人の流れが起き、安全で事故の少ないイベントの実施は著しく困難となる。
             その意味では、日比谷公園を集合場所・出発点とすることは不可欠であり、それができないということは、デモ行進という、表現の場としてきわめて重要な機会を奪われることを意味し、そのことによる、表現の自由ならびに政治的参加の権利に対する侵害はきわめて重大である。

            4 2012年10月26日に、2012年11月11日のデモ出発のための日比谷公園霞門周辺の一時的使用の許可を申請したこと及びその後の東京都の予測される対応
             以上より、相手方の拒否には何の理由もないことは明らかであり、他方、デモ行進は憲法によって保障されている表現の自由のために欠かせないものであり、そのために、日比谷公園の使用は必要不可欠であることから、申立人は、2012年10月26日、東京都東部公園緑地事務所に対し、今回の「使用承認申請書」を提出した(以下「本件申請」という)。
             東部公園緑地事務所は、「7日以内に結論を出す」としているが、これまでの経緯からみて、使用が拒否されることは明らかである。

            第3 義務づけの訴えが適法に提起されていること

             申立人は、2012年10月30日、東京地方裁判所に対して、本件申請の義務づけを求める訴訟を提起しており、同訴訟は以下の通り、行政事件訴訟法3条6項1号ないし2号の義務付け訴訟として適法に提起されている。

            1 処分がなされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあること(1号関係)
             申立人は、2012年11月11日に本件行動を計画しているところ、本件申請が拒否されれば申立人に重大な損害が生じることは、下記第5記載のとおりである。
             
            2 損害を避けるため他に適当な方法がないこと(1号関係)
             申立人は、2012年11月11日に本件行動を計画しているところ、本件申請が拒否されれば申立人に重大な損害が生じることは、下記第5記載のとおりである。

            3 申立人が法律上の利益を有すること(1号関係)
             申立人は、本件申請を行ったものであって、本件申請に対する許可の義務づけを求めることについて法律上の利益を有することは明らかである。

            4 法令に基づく申請に対し相当期間内に処分がなされないこと(2号関係)
             申立人は、2012年10月26日に、東京都立公園条例13条1項に基づく本件申請をした。そして、相当の期間とは、「その処分をなすのに通常必要とする期間」を基準として判断されるところ(東京地判昭和39年11月4日判時389号3頁)、申立人が本件申請を行った後、相手方の東部公園緑地事務所の担当者の前田氏は、申立人の代理人に対し、「7日以内に結論を出す。」と述べており(甲2)、相手方は、本件申請に対して処分をするために通常必要な期間が7日間であることを自認している。
             したがって、本年11月2日までに本件申請に対する処分がなされなかった場合、法令に基づく申請に対し相当期間内に処分がなされなかったことになる。

            第4 「本案について理由があるとみえるとき」に該当すること

            1 公園の使用許可申請に関する審査基準
             都市公園は、道路と並ぶ典型的な公共用物である。一般公衆による公共用物の使用は当然に自由であって(一般使用)、また多数人の使用関係を調整することを目的として許可制が用いられる場合も、その目的からして禁止の必要がない場合には使用の許可をしなければならない(許可使用。田中二郎・新版行政法中巻<全訂第二版>322頁)。
             また、都市公園は、地方自治法244条にいう公の施設であって、正当な理由がない限り、住民がこれを利用することを拒んではならず(同条2項)、また住民の利用について不当な差別的取扱をしてはならない(同条3項)。
             さらに、公園は、伝統的に、集会やデモ行進の集合・出発地点として用いられてきた典型的なパブリック・フォーラムであって、その利用は原則として認められるべきであって、これを正当な理由なく制約することは、憲法の保障する表現の自由及び集会の自由の不当な制限となる。
             東京都立公園条例13条1項は、公の施設の管理に関する地方自治法244条の2に基づき定められたものであるから、東京都知事が公園の一時使用申請について東京都立公園条例13条1項の許可をするにあたっては、その公共用物、公の施設及びパブリック・フォーラムとしての性質に鑑み、原則としてこれを許可しなければならず、申請を拒否することができるのは、利用の希望が競合する場合のほかは、施設を利用させることによって、他の基本的人権が侵害され、公共の福祉が損なわれる危険がある場合に限られるものというべきである(最判平成7年3月7日民集49巻3号687頁参照)。

            2 表現の自由・集会の自由の保障における日比谷公園の特殊な地位
             さらに、本件の許可基準を考慮するにあたっては、日比谷公園が置かれている特殊な地理的位置と、その歴史的利用の経緯が考慮される必要がある。
             すなわち、日比谷公園は、霞ヶ関の官庁街の東端に位置しており、一般市民が、集会・デモ行進等の方法で国政に対して意見表明を行うことを企図し、霞ヶ関の官庁街や永田町の官邸、国会議事堂及び国会議員会館周辺で集会を行い、あるいはデモ行進を行うためには、最適な位置に所在している。特に、デモ行進を行うにあたっては、集合場所ないし出発地点を確保することが警視庁の取扱い上必要とされており、国会周辺には日比谷公園以外に市民1000名以上が集合することができる場所は他に存在しない。日比谷公園は、市民がデモ行進という形で国会周辺で政治的意思を表明する上で、これを利用することが不可欠な場所に位置しており、その利用の制限は、政治的表現の自由・集会の自由の根幹に対する重大な制約をもたらすことになる。
             実際に、日比谷公園が、2012年3月11日と7月29日の2回にわたり、首都圏反原発連合によって、デモ行進の集合場所・出発点として使用されたことは、前記の通りである。
             また、それ以外にも、日比谷公園は、数多くのデモ行進の集合場所・出発点として使用されてきた。例えば、2011年3月3日に、全労連が日比谷公園をデモ行進の集合場所・出発点として使用することが承認され(甲11)、2011年8月6日には、素人の乱が日比谷公園をデモ行進の集合場所・出発点として使用することが承認された(甲12)。
             したがって、デモ行進のための集合場所として利用することを目的とする日比谷公園の一時使用申請の審査は、申請を却下することが憲法上の権利を侵害するおそれが極めて高いことを前提に、厳格になされる必要がある。

            3 2012年11月11日午後1時から3時の間、霞門周辺をデモ行進の集合場所・出発点とすることに特段の支障がないこと
             上記第2・2記載の通り、申立人らと相手方の交渉の過程において、相手方は、本件申請を許可することができない理由として、「デモは公会堂や音楽堂を使用している場合に限る」「公会堂や音楽堂などが埋まっているので、物理的に難しい」などと主張している。
             しかし、相手方の上記主張には理由がない。
             第一に、東京都は従来公会堂や音楽堂を使用しない場合であっても、デモの集合場所・出発点として日比谷公園を使用することを認めてきた。その点は、7.29のときの「公園地一時使用届出書」を見ても「大音楽堂 使用 使用しない いずれかに○」という欄があることからも明らかである。
             また、第二に、2012年11月11日当日において、野外音楽堂から他のデモ行進の出発の予定があるようであるが、それは午後3時半以降の出発であり、首都圏反原発連合が予定している午後1時から3時までの使用には何の支障もない。他に霞門周辺の同時間帯の使用に差し支える事情もない。また、当日同時間帯に健康広場は空いていることから、霞門から健康広場までの空間を利用すれば数千人規模が集合することにも特段の支障はない。
             以上より、2012年11月11日午後1時から3時の間、霞門周辺をデモ行進の集合場所・出発点とすることに特段の支障がないことは明らかである。
             また、今回の行動を主催する首都圏反原発連合は、過去において暴力的行動をするなどしたことはなく、なんら反社会的団体とも関係していない。したがって、施設をその集会のために利用させることによって、他の基本的人権が侵害され、公共の福祉が損なわれる危険も存在しない。
             したがって、本件申請にかかる利用については、他の利用の希望と競合しておらず、またその利用によって他者の基本的な人権が侵害されるということもできないから、本件申請を拒否することは違法であり、処分行政庁が本件申請を許可すべきであることは、処分の根拠となる法令の規定から明らかである。

            4 小活
             以上より、本件においては、本件申請が許可されるべきであり、「本案について理由があるとみえるとき」にあたる。

            第5 償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるとみえること

            1 2012年11月11日の抗議行動の重要性
             本件行動は、日比谷公園に集合し、官邸・国会周辺までデモ行進をし、その後、官邸・国会周辺で大飯原発の再稼働反対・原子力発電所の即時全面廃止を求める意思を表明するというものである。大飯原発再稼働の決定の責任者であり、国のエネルギー政策決定の責任者である総理大臣に対し、大飯原発再稼働反対・原子力発電所の即時全面廃止の意思を、直接、表明する、非暴力の直接行動である。いままで、首都圏反原発連合が主催する同様の行動に参加しているのは、組織動員によらず、ツイッターやフェイスブック等で活動を知り集まってきた市民である。思い思いのプラカードを手にして「再稼働反対」を唱和し、楽器を鳴らす等して意見表明をしている。過去の行動は極めて整然とし、いかなる種類の暴力にもよらない平和的なものである。
             政府に対する平和的な抗議行動は、憲法21条の表現の自由によって保障されるものであるが、このような政治的意思の表明たる表現の自由は、主権者たる国民が政治の場で意見を述べる権利の行使であって、民主主義の根幹に関わるものとして最大限度の尊重を必要とする。民主主義は市民が政府の行為を自由に批判し、抗議することができなければ成り立たないからである。「表現の自由」は、民主主義社会の絶対の生命線であり、専制に対する防波堤であって、公園管理者の権限の恣意的な行使によってその行使が妨げられることは、絶対にあってはならない。本件申請にかかる公園使用も、かかる意味から認められなければならない。
             また、本件行動及び過去の行動が抗議の対象としている原発の再稼働は、多くの市民の生命・身体の安全に関する問題である。2011年3月11日以降の東京電力福島第一原子力発電所事故は、広範囲に放射性物質を撒き散らし、広大な地域を汚染され、莫大な数の人の避難を生み、また、食や水、仕事を危機に陥れた。このため、現在でも約16万人の市民が家を失い、職を奪われ、故郷を追われる「国内避難民」の境遇に置かれ、塗炭の苦しみを味わいながら、未だに十分な補償すら受けていないのである。このように、原発再稼働・原発政策は多くの市民の生命・身体の安全に関わる重大な政治的決断である。本件行動は、市民が、自らの生命・身体を守るために、やむにやまれず行っている意思表示であり、主権者として意思を表示する数少ない手段であるから、その意味からも最大限度の尊重が必要となる。市民の生命・身体の安全の確保も憲法上最大限尊重されなければならない。
             そうすると、本件行動は、民主主義、表現の自由、市民の生命・身体の安全の確保という、多くの憲法上の重要な諸価値に関わるものであって、公園管理当局は、これに最大限度の敬意を払い、最大限尊重しなければならないのであって,本件行動を、公権力が必要最小限度を超えて規制することは、あってはならないことである。

            2 デモ行進の出発地点としての日比谷公園の重要性(不可欠性)と代替案の不存在
             本件行動は、午後3時から、官邸前及び国会とその周辺に多くの人々を集めるというものであるが、官邸前及び国会とその周辺に多くの人々を安全に誘導していくためには、最寄りの日比谷公園を集合・出発点として、デモ行進で通行することが適切な方法であり、その点では、警視庁の警備担当者と首都圏反原発連合との間での意見は一致している。
             デモ行進のためには、出発点の確保が不可欠であるところ、国会周辺には他に1000人以上の人が集まれる場所はなく、他に適切な土地は存在しない。
             日比谷公園の使用許可がない場合には、国会周辺における集合場所・出発地が確保できず、デモ行進による表現の自由の行使の機会が失われるとともに、不規則な大量の人の流れが起き、安全で事故の少ないイベントの実施は著しく困難となり、その点でも重大な不利益が発生するおそれがある。

            3 緊急性
             本件行動などの首都圏反原発連合の行動は、ツイッター等のインターネットを通じた広報や、フライヤー(ちらし)を手渡しで配布して参加者を募る方法をとっており、しかも、参加者数も現在では1万人を超えており、周知にどうしても時間を要するものである。また、デモ行進及びサウンドカー利用(荷台乗車)の許可申請のためにも、出発地を行事実施予定日の1週間前後前までに、確定する必要がある。
             そのためには、11月2日金曜日までには、2012年11月11日の出発地点のための日比谷公園霞門周辺の一時的使用の許可が必要であり、本件には緊急性がある。それまでに、使用許可ができない場合には、デモ行進ができないこととなり、表現の自由が重大な侵害を受けることになる。

            4 小活
             以上より、本件仮の義務付けについては、償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるとみえる。

            第6 「公共の福祉に重大な損害を及ぼすおそれがあるとき」に該当しないことについて
             第4で述べたとおり、本件使用許可がされないことにより、表現の自由及び国民の政治的参加の権利に対する侵害などの重大な損害が発生する危険性が非常に高い一方で、本件使用許可がされることで、なんら一般的公益が侵害される事由は存在しない。
             したがって、本件使用許可の仮の義務付けによって、公共の福祉に与える個別・具体的な事情は存在せず、本件は「公共の福祉に重大な損害を及ぼすおそれがあるとき」に該当しない。

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              10/30仮の義務付け申立書(後半)

              • 2012.11.03 Saturday
              • 09:56
               第4 「本案について理由があるとみえるとき」に該当すること

              1 公園の使用許可申請に関する審査基準
               都市公園は、道路と並ぶ典型的な公共用物である。一般公衆による公共用物の使用は当然に自由であって(一般使用)、また多数人の使用関係を調整することを目的として許可制が用いられる場合も、その目的からして禁止の必要がない場合には使用の許可をしなければならない(許可使用。田中二郎・新版行政法中巻<全訂第二版>322頁)。
               また、都市公園は、地方自治法244条にいう公の施設であって、正当な理由がない限り、住民がこれを利用することを拒んではならず(同条2項)、また住民の利用について不当な差別的取扱をしてはならない(同条3項)。
               さらに、公園は、伝統的に、集会やデモ行進の集合・出発地点として用いられてきた典型的なパブリック・フォーラムであって、その利用は原則として認められるべきであって、これを正当な理由なく制約することは、憲法の保障する表現の自由及び集会の自由の不当な制限となる。
               東京都立公園条例13条1項は、公の施設の管理に関する地方自治法244条の2に基づき定められたものであるから、東京都知事が公園の一時使用申請について東京都立公園条例13条1項の許可をするにあたっては、その公共用物、公の施設及びパブリック・フォーラムとしての性質に鑑み、原則としてこれを許可しなければならず、申請を拒否することができるのは、利用の希望が競合する場合のほかは、施設を利用させることによって、他の基本的人権が侵害され、公共の福祉が損なわれる危険がある場合に限られるものというべきである(最判平成7年3月7日民集49巻3号687頁参照)。

              2 表現の自由・集会の自由の保障における日比谷公園の特殊な地位
               さらに、本件の許可基準を考慮するにあたっては、日比谷公園が置かれている特殊な地理的位置と、その歴史的利用の経緯が考慮される必要がある。
               すなわち、日比谷公園は、霞ヶ関の官庁街の東端に位置しており、一般市民が、集会・デモ行進等の方法で国政に対して意見表明を行うことを企図し、霞ヶ関の官庁街や永田町の官邸、国会議事堂及び国会議員会館周辺で集会を行い、あるいはデモ行進を行うためには、最適な位置に所在している。特に、デモ行進を行うにあたっては、集合場所ないし出発地点を確保することが警視庁の取扱い上必要とされており、国会周辺には日比谷公園以外に市民1000名以上が集合することができる場所は他に存在しない。日比谷公園は、市民がデモ行進という形で国会周辺で政治的意思を表明する上で、これを利用することが不可欠な場所に位置しており、その利用の制限は、政治的表現の自由・集会の自由の根幹に対する重大な制約をもたらすことになる。
               実際に、日比谷公園が、2012年3月11日と7月29日の2回にわたり、首都圏反原発連合によって、デモ行進の集合場所・出発点として使用されたことは、前記の通りである。
               また、それ以外にも、日比谷公園は、数多くのデモ行進の集合場所・出発点として使用されてきた。例えば、2011年3月3日に、全労連が日比谷公園をデモ行進の集合場所・出発点として使用することが承認され(甲11)、2011年8月6日には、素人の乱が日比谷公園をデモ行進の集合場所・出発点として使用することが承認された(甲12)。
               したがって、デモ行進のための集合場所として利用することを目的とする日比谷公園の一時使用申請の審査は、申請を却下することが憲法上の権利を侵害するおそれが極めて高いことを前提に、厳格になされる必要がある。

              3 2012年11月11日午後1時から3時の間、霞門周辺をデモ行進の集合場所・出発点とすることに特段の支障がないこと
               上記第2・2記載の通り、申立人らと相手方の交渉の過程において、相手方は、本件申請を許可することができない理由として、「デモは公会堂や音楽堂を使用している場合に限る」「公会堂や音楽堂などが埋まっているので、物理的に難しい」などと主張している。
               しかし、相手方の上記主張には理由がない。
               第一に、東京都は従来公会堂や音楽堂を使用しない場合であっても、デモの集合場所・出発点として日比谷公園を使用することを認めてきた。その点は、7.29のときの「公園地一時使用届出書」を見ても「大音楽堂 使用 使用しない いずれかに○」という欄があることからも明らかである。
               また、第二に、2012年11月11日当日において、野外音楽堂から他のデモ行進の出発の予定があるようであるが、それは午後3時半以降の出発であり、首都圏反原発連合が予定している午後1時から3時までの使用には何の支障もない。他に霞門周辺の同時間帯の使用に差し支える事情もない。また、当日同時間帯に健康広場は空いていることから、霞門から健康広場までの空間を利用すれば数千人規模が集合することにも特段の支障はない。
               以上より、2012年11月11日午後1時から3時の間、霞門周辺をデモ行進の集合場所・出発点とすることに特段の支障がないことは明らかである。
               また、今回の行動を主催する首都圏反原発連合は、過去において暴力的行動をするなどしたことはなく、なんら反社会的団体とも関係していない。したがって、施設をその集会のために利用させることによって、他の基本的人権が侵害され、公共の福祉が損なわれる危険も存在しない。
               したがって、本件申請にかかる利用については、他の利用の希望と競合しておらず、またその利用によって他者の基本的な人権が侵害されるということもできないから、本件申請を拒否することは違法であり、処分行政庁が本件申請を許可すべきであることは、処分の根拠となる法令の規定から明らかである。

              4 小活
               以上より、本件においては、本件申請が許可されるべきであり、「本案について理由があるとみえるとき」にあたる。

              第5 償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるとみえること

              1 2012年11月11日の抗議行動の重要性
               本件行動は、日比谷公園に集合し、官邸・国会周辺までデモ行進をし、その後、官邸・国会周辺で大飯原発の再稼働反対・原子力発電所の即時全面廃止を求める意思を表明するというものである。大飯原発再稼働の決定の責任者であり、国のエネルギー政策決定の責任者である総理大臣に対し、大飯原発再稼働反対・原子力発電所の即時全面廃止の意思を、直接、表明する、非暴力の直接行動である。いままで、首都圏反原発連合が主催する同様の行動に参加しているのは、組織動員によらず、ツイッターやフェイスブック等で活動を知り集まってきた市民である。思い思いのプラカードを手にして「再稼働反対」を唱和し、楽器を鳴らす等して意見表明をしている。過去の行動は極めて整然とし、いかなる種類の暴力にもよらない平和的なものである。
               政府に対する平和的な抗議行動は、憲法21条の表現の自由によって保障されるものであるが、このような政治的意思の表明たる表現の自由は、主権者たる国民が政治の場で意見を述べる権利の行使であって、民主主義の根幹に関わるものとして最大限度の尊重を必要とする。民主主義は市民が政府の行為を自由に批判し、抗議することができなければ成り立たないからである。「表現の自由」は、民主主義社会の絶対の生命線であり、専制に対する防波堤であって、公園管理者の権限の恣意的な行使によってその行使が妨げられることは、絶対にあってはならない。本件申請にかかる公園使用も、かかる意味から認められなければならない。
               また、本件行動及び過去の行動が抗議の対象としている原発の再稼働は、多くの市民の生命・身体の安全に関する問題である。2011年3月11日以降の東京電力福島第一原子力発電所事故は、広範囲に放射性物質を撒き散らし、広大な地域を汚染され、莫大な数の人の避難を生み、また、食や水、仕事を危機に陥れた。このため、現在でも約16万人の市民が家を失い、職を奪われ、故郷を追われる「国内避難民」の境遇に置かれ、塗炭の苦しみを味わいながら、未だに十分な補償すら受けていないのである。このように、原発再稼働・原発政策は多くの市民の生命・身体の安全に関わる重大な政治的決断である。本件行動は、市民が、自らの生命・身体を守るために、やむにやまれず行っている意思表示であり、主権者として意思を表示する数少ない手段であるから、その意味からも最大限度の尊重が必要となる。市民の生命・身体の安全の確保も憲法上最大限尊重されなければならない。
               そうすると、本件行動は、民主主義、表現の自由、市民の生命・身体の安全の確保という、多くの憲法上の重要な諸価値に関わるものであって、公園管理当局は、これに最大限度の敬意を払い、最大限尊重しなければならないのであって,本件行動を、公権力が必要最小限度を超えて規制することは、あってはならないことである。

              2 デモ行進の出発地点としての日比谷公園の重要性(不可欠性)と代替案の不存在
               本件行動は、午後3時から、官邸前及び国会とその周辺に多くの人々を集めるというものであるが、官邸前及び国会とその周辺に多くの人々を安全に誘導していくためには、最寄りの日比谷公園を集合・出発点として、デモ行進で通行することが適切な方法であり、その点では、警視庁の警備担当者と首都圏反原発連合との間での意見は一致している。
               デモ行進のためには、出発点の確保が不可欠であるところ、国会周辺には他に1000人以上の人が集まれる場所はなく、他に適切な土地は存在しない。
               日比谷公園の使用許可がない場合には、国会周辺における集合場所・出発地が確保できず、デモ行進による表現の自由の行使の機会が失われるとともに、不規則な大量の人の流れが起き、安全で事故の少ないイベントの実施は著しく困難となり、その点でも重大な不利益が発生するおそれがある。

              3 緊急性
               本件行動などの首都圏反原発連合の行動は、ツイッター等のインターネットを通じた広報や、フライヤー(ちらし)を手渡しで配布して参加者を募る方法をとっており、しかも、参加者数も現在では1万人を超えており、周知にどうしても時間を要するものである。また、デモ行進及びサウンドカー利用(荷台乗車)の許可申請のためにも、出発地を行事実施予定日の1週間前後前までに、確定する必要がある。
               そのためには、11月2日金曜日までには、2012年11月11日の出発地点のための日比谷公園霞門周辺の一時的使用の許可が必要であり、本件には緊急性がある。それまでに、使用許可ができない場合には、デモ行進ができないこととなり、表現の自由が重大な侵害を受けることになる。

              4 小活
               以上より、本件仮の義務付けについては、償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるとみえる。

              第6 「公共の福祉に重大な損害を及ぼすおそれがあるとき」に該当しないことについて
               第4で述べたとおり、本件使用許可がされないことにより、表現の自由及び国民の政治的参加の権利に対する侵害などの重大な損害が発生する危険性が非常に高い一方で、本件使用許可がされることで、なんら一般的公益が侵害される事由は存在しない。
               したがって、本件使用許可の仮の義務付けによって、公共の福祉に与える個別・具体的な事情は存在せず、本件は「公共の福祉に重大な損害を及ぼすおそれがあるとき」に該当しない。

              第7 結語
               以上の次第であるので、申立の趣旨記載の決定を求める。

              添付資料
              1 甲号証各証 写し  各1通
              2 委任状        1通

              証拠方法
               別紙証拠説明書記載の通り 

              (別紙)
              当 事 者 目 録

              申立人 首都圏反原発連合 小泉岳義

              (送達場所)
              〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2−3−1 岩波書店アネックス7階
                 東京駿河台法律事務所
                          Tel(03)3234-9133  Fax(03)3234-9134
                    申立人代理人
                      弁護士(主 任)小島 延夫
                 弁護士    福田 健治
                 弁護士   上柳 敏郎
                 弁護士   河 健一郎
                 弁護士   江口 智子

              〒211-0004 川崎市中原区新丸子東2-895 武蔵小杉ATビル505号室
                 武蔵小杉合同法律事務所
                   Tel(044)431-3541  Fax(044)422-5315
                 弁護士   神原 元
                 弁護士   穂積 匡史
                   弁護士   鈴木 麻子
                   弁護士  阪田 勝彦
               
              〒102-0072 東京都千代田区飯田橋4-7-11 カクタス飯田橋ビル3階304
                   山崎・秋山法律事務所
                     Tel 03-3230-1056 Fax 03-3230-4877
                  弁護士  山下瑞木

              〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1  
              相手方      東京都
              同代表者知事   石原 慎太郎
              処分行政庁    東京都知事

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                10/31申立人主張書面(1)

                • 2012.11.03 Saturday
                • 09:55
                平成24年(行ク)第395号 日比谷公園霞門一時的使用許可仮の義務付け請求事件
                申立人 小泉岳義
                相手方 東京都(処分行政庁 東京都東部公園緑地事務所長)

                主 張 書 面(1)

                2012年10月31日

                東京地方裁判所民事第2部 御中

                原告訴訟代理人      
                弁護士 小島 延夫
                弁護士 神原  元
                弁護士 福田 健治
                弁護士 上柳 敏郎
                弁護士 河健一郎
                弁護士 江口 智子
                弁護士 穂積 匡史
                弁護士 鈴木 麻子
                弁護士 阪田 勝彦
                弁護士 山下 瑞木

                (処分行政庁による不許可処分及び同処分の違法性)

                 仮の義務付け申立書第2・4記載の通り、申立人は、処分行政庁に対し、2012年10月26日、使用日時を2012年11月11日午後1時から午後3時まで、使用目的をデモ出発のためとする本件申請を行った。
                 これに対し、処分行政庁は、申立人に対し、2012年10月31日付で、本件申請を許可しない旨の処分を行った(以下「本件処分」という。甲13)。
                 本件申請が許可されるべきことが処分の根拠となる法令の規定から明らかであることは、仮の義務付け申立書申立ての理由第4記載のとおりであるから、本件申請を許可しない旨の本件処分は違法であり取り消されるべきである。
                 なお、仮の義務付け申立書当事者目録のうち、処分行政庁が「東京都知事」とあるのを、「東京都東部公園緑地事務所長」と訂正する。

                以上

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                  11/1申立人主張書面(2)

                  • 2012.11.03 Saturday
                  • 09:53
                  平成24年(行ク)第395号
                  日比谷公園霞門一時的使用許可仮の義務付け請求事件
                  申立人 小泉岳義
                  相手方 東京都(処分行政庁 東京都東部公園緑地事務所長)

                  主 張 書 面(2)

                  2012年11月1日

                  東京地方裁判所民事第2部 御中

                  申立人代理人      
                  弁護士 小島 延夫
                  弁護士 神原  元
                  弁護士 福田 健治
                  弁護士 上柳 敏郎
                  弁護士 河健一郎
                  弁護士 江口 智子
                  弁護士 穂積 匡史
                  弁護士 鈴木 麻子
                  弁護士 阪田 勝彦
                  弁護士 山下 瑞木
                  申立人復代理人     
                  弁護士 花澤 俊之
                  弁護士 小松 圭介

                  (相手方平成24年(2012年)10月31日付け意見書(以下「意見書」という。)に対する反論)

                  第1 意見書「第2 却下を求める理由」について

                   相手方は、本件申請に対しては、2012年10月31日、これを不許可とする本件処分を行ったところ、本件申立ての前提となっている本件義務付け訴訟(東京地方裁判所平成24年(行ウ)第754号。以下「本件本訴」という。)は、取消訴訟との併合提起の要件(行政事件訴訟法37条の3第3項)に欠けるから、不適法であると主張する。
                   しかし、申立人は、本件処分を受けて、同日、同日付の訴えの変更申立書をもって、本件本訴の請求の趣旨に、本件処分の取消しを求める取消訴訟を追加したから、上記併合提起の要件は満たされている。

                  第2 本件処分の違法性(意見書「第3 本件処分が適法であること」の「3 本件処分が適法であること」について)

                  1 本件処分について裁量が認められないこと及び「公園管理上特に支障を与えるおそれが存在しないこと」の主張立証責任の所在及びその程度

                  ⑴ 本件処分について裁量が認められないこと
                   相手方は、都市公園法において、物件を設けて占有する場合について、許可を行うに当たって裁量が認められているなどと主張する(意見書第3・3⑶)。
                   しかし、相手方の主張は、公共用物の特許使用と許可使用の相違を無視するものである。物件を設けて占有する場合のように、特定私人のために自由使用としては許されない特別の使用(排他的利用など)をする権利を設定することを「特許使用」といい、その許可には行政庁の裁量が認められる。一方、公園のデモ行進や集会等のように、基本的に自由使用の範疇に属するものの、公共の安全と秩序に障害を及ぼすのを防止し又は多人数の利用関係を調整するために許可制をとる場合を「使用許可」といい、この場合、その使用を許可することが当然であり、これを拒否することができるのは、上記目的を達成するために必要な場合に限られ、その判断に行政庁の裁量は認められない(以上につき、田中二郎『新版行政法中巻<全訂第二版>』322頁(甲14)、内野俊夫「公物の目的外使用」『新・裁判実務大系第25巻行政争訟〔改訂版〕』(甲15)493−494頁参照)。
                   このことは、物件を設けて占有する場合については都市公園法6条が規律している一方、物件を設けない占有や本件のような一時使用については同法が規定を欠いており、条例の定めに委ねられていることからも明らかである。
                   したがって、集会やデモ行進を目的とする公園の一時使用申請の許可については、行政庁の裁量は認められないというべきである。
                   相手方が引用する都市公園法の解説(疎乙6)は、特許使用である物件を設けての占有に関する条文の解説であって、本件の参考になるものではない。
                   この点、相手方が定める東京都立公園条例13条1項の処分基準(以下「処分基準」という。疎乙7)も、集会のための同条の許可について、
                  「・当該公園に集会が可能な広場があること。
                  ・集会が、公園管理上及び公園周辺に特に支障を与える恐れがある場合には許可しないことができる。」
                  に許可をするものと定めており、公園に集会が可能な広場がある限り、「公園管理上及び公園周辺に特に支障を与える恐れがある場合」でなければ、必ずこれを許可するものとし、またかかるおそれが存在する場合においても許可することが可能な定めとしている。この点は、相手方においても、本件のような使用の許可の場合(本件申請の場合は集合場所・出発地として使用するので、集会よりも他に及ぼす影響の弱い使用でありより広く許可が認められるべきであるが)には、行政庁の裁量が認められない旨を自ら定めるものである。この基準は、東京都行政手続条例5条に基づき、処分の基準として自ら定めたものであって、東京都の行政行為を拘束するものであり、相手方の主張は自ら定めた基準にも矛盾するものであって、理由がない。
                  ⑵ 「公園管理上の支障」の主張立証責任の所在及びその程度
                  ア 「公園管理上の支障」の主張立証責任
                   集会やデモ行進を目的とする公園の一時使用許可については、上記⑴記載の許可使用としての性質、不許可処分が憲法が保障する表現の自由・集会の自由の不当な制限となりうること等に鑑み、当該使用を認めることによって、公園の管理に具体的な支障を来すおそれあることについて、行政庁に主張立証責任が課されているものと解される。
                   前述の相手方が定める東京都立公園条例13条1項の処分基準(以下「処分基準」という。疎乙7)の定めも、上記の主張立証責任の所在を反映したものといえる。
                  イ 「公園管理上の支障」の内容・程度
                   公の施設の使用不許可の正当化事由が問題となった事案において、最高裁の判例は以下の通り判示している。
                  「本件条例七条一号は、『公の秩序をみだすおそれがある場合』を本件会館の使用を許可してはならない事由として規定しているが、同号は、広義の表現を採っているとはいえ、右のような趣旨からして、本件会館における集会の自由を保障することの重要性よりも、本件会館で集会が開かれることによって、人の生命、身体又は財産が侵害され、公共の安全が損なわれる危険を回避し、防止することの必要性が優越する場合をいうものと限定して解すべきであり、その危険性の程度としては、前記各大法廷判決の趣旨によれば、単に危険な事態を生ずる蓋然性があるというだけでは足りず、明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要であると解するのが相当である。」(最判平成7年3月7日民集49巻3号687頁、下線引用者)
                  「同法(引用者注:地方自治法)二四四条に定める普通地方公共団体の公の施設として、本件会館のような集会の用に供する施設が設けられている場合、住民等は、その施設の設置目的に反しない限りその利用を原則的に認められることになるので、管理者が正当な理由もないのにその利用を拒否するときは、憲法の保障する集会の自由の不当な制限につながるおそれがある。したがって、集会の用に供される公の施設の管理者は、当該公の施設の種類に応じ、また、その規模、構造、設備等を勘案し、公の施設としての使命を十分達成せしめるよう適正にその管理権を行使すべきである。
                  以上のような観点からすると、本件条例六条一項一号は、『会館の管理上支障があると認められるとき』を本件会館の使用を許可しない事由として規定しているが、右規定は、会館の管理上支障が生ずるとの事態が、許可権者の主観により予測されるだけでなく、客観的な事実に照らして具体的に明らかに予測される場合に初めて、本件会館の使用を許可しないことができることを定めたものと解すべきである。」(最判平成8年3月15日民集50巻3号549頁、下線引用者)
                   これら累次の最高裁判例が指摘するとおり、公の施設については、その利用は原則として自由なのであって、また公の施設の使用が集会やデモ行進のために申請された場合に、これを拒否することは、憲法が保障する表現の自由や集会の自由の不当な制約となるおそれがある。
                   処分基準も、こうした憲法上の権利の制約への配慮から、単なる公園管理上の支障ではなく、公園管理上特に支障を与えるおそれを要求している。
                  したがって、処分基準にいう「公園管理上特に支障を与える恐れ」とは、公園管理上の著しい支障であって、かつ、その支障が客観的な事実に照らして具体的に明らかに予測される場合をいうものと解すべきである。
                   これを本件についてみると、仮に相手方の主張を前提としても、。泳人規模の集会開催が不可能であるとの主張はその根拠たる事実が何ら示されておらず、園路の利用が園内事業者及び管理車両、イベント関係車両の通行にどのような支障を来すのか、何ら明らかにしておらず、K楫鐃柔舛坊犬觧藩僂一般来園者の安全にいかなる支障を来すのかも全く不明である。
                   したがって、相手方の主張を前提としたとしても、公園管理上の著しい支障が客観的事実に照らして具体的に明らかにされているとは言えず、本件申請が許可されるべきであることは明らかである。

                  2 公園管理上支障を与えるおそれが存在しないこと
                  ⑴ デモ行進の出発のための使用が禁止されている事実はないこと
                   相手方は、日比谷公園では、園内に日比谷公会堂と大音楽堂を設置していることから、その他の園地での集会は禁止していると主張する(意見書第3・3⑵)。
                   しかし、本件申請に係る使用は、デモの出発場所とすることを目的としており、日比谷公園内での集会をその目的とするものではない。そして、デモの出発場所としての使用については、これまで一切禁止されてこなかった。
                  例えば、首都圏反原発連合が主催した2012年3月11日及び7月29日のデモ行進においても、日比谷公会堂及び大音楽堂を使用していないにもかかわらず、園地がデモ行進の出発場所として利用された。しかも、かかる利用は、いずれも東京都東部公園緑地事務所の下部組織である日比谷公園サービスセンターへの届出の上で行われたことは、仮の義務付け申立書申立の理由第2・1記載のとおりである(甲7)。それ以外にも、日比谷公園は、数多くのデモ行進の集合場所・出発点として使用されてきた。例えば、2011年3月3日に、全労連が日比谷公園をデモ行進の集合場所・出発点として使用することが承認され(甲11)、2011年8月6日には、素人の乱が日比谷公園をデモ行進の集合場所・出発点として使用することが承認された(甲12)。
                  そもそも、甲7の書式は、日比谷公園サービスセンターが用意したものであるところ、同書式には「デモ行進出発専用」の「公園一時使用届出書」と記載されており、使用場所は「霞門・中幸門」から選択するものとされ、大音楽堂・公会堂について「使用する・使用しない」との選択欄が設けられているのである。
                  また、日比谷公園サービスセンターは、指定管理者として同公園の管理業務を行っており、軽微な占用の許可の受付もその業務に含まれ(甲16・6頁の(ク))、その業務を行うについて、東京都と十分な連絡調整を行うこととなっており、業務報告もなされている(甲16・6頁の(シ))。したがって、日比谷公園サービスセンターが行ってきた甲7号証の業務についても、東京都及び処分庁の了承がなければできないものである。
                  したがって、日比谷公園の「霞門」について、大音楽堂・公会堂を「使用しない」場合においても、「デモ行進出発」のために利用することを、処分庁が容認してきたことは、証拠上明白である。
                  ⑵ 園内関係者及び一般来園者との競合は問題となり得ないこと
                   相手方は、園路は園内施設の関係車両及び一般来園者の動線であり、来園者の安全確保の観点から占有を許可することはできないと主張する。
                   しかし、第一に、この相手方の主張が、これまでデモ出発の目的で霞門の一時使用を認めてきた相手方の対応と矛盾することは上記のとおりである。また、過去のデモ出発目的の霞門の一時使用においても、来園者の安全について特段のトラブルは生じていない。
                   第二に、本件申請に係る使用は、集会ではなくデモ行進出発を目的としており、関係車両ないし来園者のための動線確保のためであれば、そのための物理的な措置を採ることは十分可能であり、行政庁は許可に際してその旨の条件を付せばよいのであり、行政庁にはそのための権限も与えられている(東京都立公園条例13条2項)。また過去の一時使用に際しても、届出者が来園者の動線確保を約している(甲7)。
                   したがって、園内の関係者ないし一般来園者との競合は、公園管理上の具体的かつ著しい支障を来す事情とはいえない。
                  ⑶ 園内の大規模イベントとの競合は問題とならないこと
                  ア 本件申請に引き続く当日の行動
                  申立人を含む首都圏反原発連合が警視庁と打ち合わせしている、当日のデモ参加者の行動は、13時に霞門周辺から健康広場に集合し、13時半に先頭集団が霞門からデモに出発するというものである。健康広場に集まった参加者は、緑化道路を通って霞門からデモに出ることになる。そうすると、実際、参加者が利用するのは、健康広場から緑化道路を通り、霞門に至る部分ということになる(その部分すら排他的に占有しようとするものではない。)。 
                  なお、首都圏反原発連合が主催した7月29日のデモにおいては、日比谷公園の中幸門から図書間前及び雲形池前付近までを利用したにとどまった(甲7)。今回の申請においては、警備を担当する警視庁からの、「請願デモの場合は霞門の利用が多く、また霞門からデモが出発することによりデモが短くなるため、霞門を利用するように」との指導に従い、霞門から健康広場を利用することとした。今回の申請により使用する場所の面積は、前回の利用面積より広くなっている。このように使用面積の点からみても、本件申請に係る使用は、公園管理上の支障をもたらすものではない。
                  万一、今回の参加者が前回より多い場合であっても、霞門から大音楽堂の前などに集まった人を逃がす方法があり、そのための余裕スペースも十分に存在している。
                  結局、「本件申請を許可した場合、一般来園者の安全を確保できず、公園の管理上支障をきたす状況になる」との主張は全く根拠がない。
                  イ 第51回農林水産祭「実りのフェスティバル」について
                  11月10日及び同月11日には、日比谷公園の大噴水広場、第2花壇、にれの木広場及び小音楽堂で「第51回農林水産祭 実りのフェスティバル」及び「第3回ファーマーズ&キッズフェスタ2012」が開催される(甲17、18。以下「実りのフェスティバル」という。)。しかし、本件申請に係る使用の利用場所と実りのフェスティバルの利用場所が重ならないことは明らかである(甲19)。また、実りのフェスティバルの会場はいずれも日比谷公園の東側一帯に位置しており、一般参加者は主に日比谷門から出入りするものと考えられ、霞ヶ関の官庁街方面の出入り口である霞門を利用する一般参加者が多数いることは想定できない。加えて、実りのフェスティバルは同月11日午後4時までの開催であり(甲18)、その展示物の搬出は翌12日であるから、搬入・搬出等の関係車両の通過と本件申請に係る使用が競合することもない。
                  ウ 平成24年度東京都観光菊花大会について
                  11月1日から同月23日まで、日比谷公園の草地広場においては、「平成24年度東京都観光菊花大会」(以下「菊花大会」という。)が行われている(甲20)。菊花大会は草地広場で開催されるから、本件申請に係る使用と何ら競合しない(甲19)。また、菊花大会の開催期間は上記のとおりであり、展示物を固定して参加者が見物する行事であるから、展示物の搬入は同月1日以前に行われ、その搬出は同月23日以後に行われるものと考えられる。したがって、同月11日に展示物の搬入や搬出があるとは考えられず、そのための車両の通行もあるとはいいがたい。
                  エ 他の支障もないこと
                   また、今回の行動を主催する首都圏反原発連合は、過去において暴力的行動をするなどしたことはなく、なんら反社会的団体とも関係していない。したがって、施設をその集会のために利用させることによって、他の基本的人権が侵害され、公共の福祉が損なわれる危険も存在しない。
                  ⑷ 従前の取扱いが公園管理上の支障の不存在を明らかにしていること
                   仮の義務付け申立書申立ての理由第2・1記載のとおり、日比谷公園は、大音楽堂や日比谷公会堂を利用しない場合においても、指定管理者である日比谷公園サービスセンターの了解の下、デモ行進の出発場所として用いられてきており、これによる著しい支障が生じたとの事実はない。この被告の従前の取扱いが、本件申請に係る使用によって、公園管理上の支障が生じないことを明らかにしている。
                   なお、相手方は、この点について、上記の取扱いは東京都立公園条例13条1項に基づくものではないなどと主張する。
                   しかし、問題は、本件申請に係る使用によって、公園管理上の具体的かつ著しい支障が生じるおそれがあるか否かである。過去に同様の使用が認められてきており、これにより著しい支障が生じていないのであれば、その使用の根拠法令にかかわらず、事実の問題として、公園管理上の支障が存在しないことが立証されたものというべきである。相手方の反論には理由がない。
                   なお、申立人は、従前と同様に日比谷公園サービスセンターに届け出ることにより本件申請に係る使用を行おうとしたところ、かかる取扱いを突然拒否したのは相手方である。上記相手方の主張は、自らルールを一方的に変えた上で、「以前のルール上の事例は参考にならない」と主張するものであって、信義則に反する。

                  第3 意見書「第4 その他」について

                   相手方は、公安委員会からのデモ行進の許可は、デモの72時間前である11月8日までに申請すればよいなどと主張する(意見書第4)。しかし、デモのためには、幅広い市民への事前の(しかもできるだけ期間をとっての)呼びかけが必要であり、許可だけでデモができるわけではない。デモ行進の許可前に呼びかけを行い、許可が得られなければ、大きな混乱が生じるおそれがある。相手方の主張は、デモ行進の実態を全く無視した主張である。

                  第4 本件申請が許可されることが本件行動の実施に不可欠であること(償うことのできない損害)

                   一般に、デモ行進を行うにあたっては、集合場所ないし出発地点を確保することが警視庁の取扱い上必要とされている。
                   その点で、日比谷公園は、霞ヶ関の官庁街の東端に位置しており、一般市民が、国政に対して意見表明を行うことを企図し、霞ヶ関の官庁街や永田町の官邸、国会議事堂及び国会議員会館周辺に向けてデモ行進を行うための集合場所・出発地点として、位置として最適であるうえ、市民1000名以上が集合することができる場所として唯一の存在である。市民がデモ行進という形で国会周辺で政治的意思を表明する上で、他に代替的場所はなく、その利用の制限は、政治的表現の自由・集会の自由の根幹に対する重大な制約をもたらすことになる。
                   政府に対する平和的な抗議行動・デモ行進は、憲法21条の表現の自由によって保障されるものであるが、このような政治的意思の表明たる表現の自由は、主権者たる国民が政治の場で意見を述べる権利の行使であって、民主主義の根幹に関わるものとして最大限度の尊重を必要とするものである。また、本件行動及び過去の行動が抗議の対象としている原発の再稼働は、多くの市民の生命・身体の安全に関する問題である。市民の生命・身体の安全の確保も憲法上最大限尊重されなければならない。
                   そうすると、仮に本件申請が認められないと、本件行動自体が実施できないことになり、その結果、原発の再稼働という市民の生命・身体の安全の確保に関する、表現の自由・民主主義という憲法上の重要な諸価値が侵害されるものであって、そのことによる権利侵害・不利益はきわめて重大なものであるといわざるをえない。
                   したがって、本件申請が許可されない際に生じる損害は極めて重大であって、これは償うことができないものである。本件申請に対しては、仮の義務付けが早急に認められるべきである。

                  以上

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                    11/2申立人主張書面(3)

                    • 2012.11.03 Saturday
                    • 09:51
                     平成24年(行ク)第395号
                    日比谷公園霞門一時的使用許可仮の義務付け請求事件
                    申立人 小泉岳義
                    相手方 東京都(処分行政庁 東京都東部公園緑地事務所長)

                    主 張 書 面(3)

                    2012年11月2日

                    東京地方裁判所民事第2部 御中

                    申立人代理人      
                    弁護士 小島 延夫
                    弁護士 神原  元
                    弁護士 福田 健治
                    弁護士 上柳 敏郎
                    弁護士 河健一郎
                    弁護士 江口 智子
                    弁護士 穂積 匡史
                    弁護士 鈴木 麻子
                    弁護士 阪田 勝彦
                    弁護士 山下 瑞木
                    申立人復代理人     
                    弁護士 花澤 俊之
                    弁護士 小松 圭介

                    (相手方平成24年(2012年)11月1日付け意見書(その2)について)

                    1 相手方は、日比谷公園では日比谷公会堂及び野外音楽堂以外の園地では集会を禁止していると主張するが、何ら法令上の根拠のない主張である。
                    2 相手方は、日比谷公会堂及び野外音楽堂を使用する場合に、施設に収まらない一時参加者の滞在場所として園地を利用することは認めているというのであるから、これら施設の使用を伴わない場合についても、園地の利用を認めても何ら支障がないはずである。相手方は、これまでの意見書において、デモ行進の出発場所としての園地の利用について、施設利用を伴わなければならない理由を何ら主張立証していない。公園管理上の支障をいう相手方の主張は、全て抽象的で、客観的事実による裏付けを伴わないものである。
                    3 申立人ら首都圏反原発連合が2012年11月11日に使用することを計画している園地に関する相手方意見書(その2)別紙図面の記載は事実に反する。申立人ら首都圏反原発連合が使用することを計画しようとしているのは、申立人主張書面(2)8頁記載の通り、健康広場から緑化道路を通り霞門に至る部分である(別紙図面1参照)。
                    相手方の図面からは、あたかも申立人ら首都圏反原発連合による園地の使用が、菊花大会の会場への来場者のアクセスを阻害するかの如く見えるが、実際には菊花大会の会場である草地広場の裏を通って霞門に至るのであるから、菊花大会来場者の往来の妨げになることはない。
                     また、仮に、草地広場東側の通路に若干人が出たとしても、7月29日の例などからすれば、通路全面を集合場所として使用することはありえず、申立人ら首都圏反原発連合は、通路幅の半分ほどの使用に限定するように、整理をするのであって、相手方の主張するように、草地広場東側通路全面を使用するようなことはありえないのであって、この点でも相手方意見書(その2)別紙図面の記載は事実に反する。(7月29日の状況は、別紙図面2の通りであった)。その場合、当然のことながら、菊花大会の会場への来場者の通行に支障はなく、その他の日比谷公園利用者の通行にも支障はない。

                    以 上

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                      8/9警視庁に対する申入書

                      • 2012.08.09 Thursday
                      • 15:10
                       申入書

                      2012年8月9日
                      警視庁 警視総監 殿
                      警視庁 麹町警察署署長 殿
                      官邸前見守り弁護団

                      1 はじめに
                       首相官邸前(以下「官邸前」という)において、毎週金曜日夕刻に、首都圏反原発連合のよびかけによる、関西電力大飯原子力発電所(以下「大飯原発」という)の再稼働に反対する抗議行動(以下「本件官邸前抗議行動」という)が続いている。警察の警備体制の強化により本件官邸前抗議行動が著しく制約されていることについて、私たち弁護士有志は、2012年8月2日、「関西電力大飯原子力発電所再稼働に反対する首相官邸前抗議行動について市民の表現の自由を尊重し、過剰警備をしないよう求める声明」(以下「8・2声明」という)を公表した。
                       しかし、8月3日に行われた本件官邸前抗議行動においても、以下のような過剰かつ不当な規制があったので申し入れる。なお、8月3日に行われた本件官邸前抗議行動においては、警察による様々な過剰かつ不当な規制が様々な地点でなされており、本申入書で指摘する「財務省上」交差点における規制の問題は、その一端にすぎない。

                      2 警察による過剰かつ不当な規制の状況
                       私たちは、2012年8月3日、本件官邸前抗議行動の現場において、以下のような警察の恣意的で過剰かつ不当な規制を確認した。
                        嶌睫馨幣紂弩鮑硬世髻崛輙官邸前」交差点に向かって進行しようとする車両のうち、「反原発」「脱原発」等のステッカーを貼ったり、「再稼働反対」等のコールをしたりしている車両(自動四輪車、自動二輪車、自転車)のみを停止させ、官邸前方向に侵入しないように制限していた。これにより、本件官邸前抗議行動とは無関係な車両までもが本来通行できるはずの車道を通行することを制限されていた。
                       車両からの抗議行動も、歩道における抗議行動と同じく、憲法上の表現の自由によって保障されるべきものである。上記のようにその態様は平穏で、交通の安全を乱すものでもない。本件官邸前抗議行動に参加する者の車両のみ通行を制限することは、何ら合理的な理由のない妨害でしかなく、違法なものである。
                      ◆ 嶌睫馨幣紂弩鮑硬世硫C琶眛擦蓮各所で「横断禁止」となり、反対側への移動が困難になった。
                       本件官邸前抗議行動の参加者が横断歩道を渡ることまで禁止する理由はない。とりわけ、一方方向のみの横断を禁止する理由は全くない。警察が、官邸前に多くの参加者が集まらないように、恣意的に横断歩道の横断を禁止し、参加者が交差点で滞留させられることによって、車道に人があふれ、道路交通の危険が発生することがあれば、まさに本末転倒である。かかる規制も合理的理由のない違法なものである。
                       午後7時半ころ、「財務省上」交差点から官邸前にむかって歩道を歩こうとすると、複数の警察官によって、歩行が制止された。この点は、六本木通りから東京メトロ国会議事堂駅4番出口に向かう狭い道であっても、官邸前方向に上がっていこうとすると歩行を制止された。
                       当時、東京メトロ国会議事堂駅3番出口付近の歩道には、多くの空きスペースがあり、何ら危険性がなかったにもかかわらず、このように歩行を制限することは、なんら根拠のない違法なものである。

                      3 おわりに
                       「財務省上」交差点及びその付近においては、以上のような過剰かつ不当な規制が行われており、このような規制が警察法2条による規制権限の濫用であり、同条2項に違反し、憲法21条1項の保障する表現の自由を侵害する違憲・違法なものであることは、8・2声明でも指摘したとおりである。
                       本件官邸前抗議行動は8月10日にも予定されている。今後このような過剰かつ不当な規制がなされないよう、厳重に申し入れる。

                      以 上


                      <本件に関してのお問い合わせ先>
                      〒101−0025
                      東京都千代田区神田佐久間町2−7第6東ビル602号 高野隆法律事務所
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                      弁護士 小松 圭介

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